まだ昼間は蒸し暑い高知ですが、暦は10月の三連休。初日は昼に高知駅前のこうち旅広場でカレー&ラーメンフェスタ、夜は高知城で秋のお城祭りに行ってきました。
まずは昼の部。カレーとラーメンのメインメニューは一律400円、事前にチケットを買ってから引き換えます。メインメニュー以外が各店で現金払いなので、ちょっとややこしいのですが、各店のメインメニューの売れ行きでコンテストをしているので、店舗ごとのチケットで売り上げを記録しておかないといけないという事情があります。
ちなみにこちらはメインメニューの一つ、ローストビーフカレーパスタといういろいろ重なったメニューです。こういう機会でもないとなかなかお目にかからないものです。
メインメニューは食べ歩き用の値段とサイズなので、ひとつ食べただけではとてもお腹いっぱいにはなりません。というわけで二つ目をどうしようか、やっぱラーメンかなぁという気になっていたのですが、ふと通りかかったお店で出ていたガパオ丼が妙に気になり、こちらに流れてしまいました。
しかし、ガパオライスって都会ではいつの間にか定着したような気がするんですが、皆さんの地元ではどうでしょう?
ステージでは入れ代わり立ち代わり各種イベント開催。こちらは知る人ぞ知る高知名物「しばてん踊り」のパフォーマンスです。
「しばてん」というのはカッパに似た姿で、人間(たいがいは「酔うたんぼ」、高知の酔っ払いのようですが)を見つけては相撲をとろうと誘ってくると言われる妖怪の一種だそうです。その伝説を基に、正調よさこい踊りの創作者で知られる武政英策先生が「しばてん踊り」の音楽を作詞作曲、コミカルな歌と踊りで、高知のお座敷遊びや盆踊りなどで親しまれています。
踊りには高知の老舗料亭「濱長」のキャラクター、しばてん君も参加。「河童に似た」とは言いますが、顔かたちは近くても頭にお皿はないようです。
ちなみに高知駅のコンコースでは鉄道模型の運転会も行われていました。10月14日が鉄道の日ということで、JR四国もイベントをいろいろ打ち出しているようです。
さて、カレー&ラーメンフェスタは16時で初日終了、18時からは高知城で秋のお城まつりが始まります。
天守・懐徳館の前では土佐炙茶が無料で振る舞われています。無料とは言え薫りの良いお茶でした。
二の丸では「味わい横丁」として各種飲食の露店が出店中で、腹ごしらえに川海老の天ぷらと平天、ハーブフランク、つがに汁を調達。四万十の栗焼酎ダバダ火振があったので、ストレートで頂くことにしました。
三の丸では土佐山内家の家紋が入った提灯を貸し出しています。昔と違い、中はローソクではなくLEDライトが照らしています。
その三の丸の広場では、県外も含む各地の神楽が毎夜行われます。この日は初日で、宮崎県は高千穂町の高千穂神楽が披露される予定です。
定刻の18時半、神楽が始まりました。説明によれば、今回披露されるのは「手力雄(たぢからお)の舞」「鈿女(うずめ)の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」の4番で、いずれも高千穂神社境内で毎夜舞われるものだそうです。
最初に舞われるのが「手力雄の舞」。こちらと「鈿女の舞」「戸取の舞」は天照大神の岩戸隠れの神話に基づくものです。
姿を消した天照大神を探す様を待っています。そして天岩戸に隠れていることが分かったところで、次の鈿女の舞が始まります。
天鈿女命が舞台に姿を現しました。ここから鈿女の舞になります。
高千穂神楽での鈿女の舞は非常に優美なものという事前の説明がありましたが、一方で結構大きな動きも入っています。
天鈿女命の舞に、岩戸の前に集まった八百万の神は大いに盛り上がります。その声を聴き訝しむ天照大神。そして舞台は次の「戸取の舞」に移ります。
外の様子を伺おうと岩戸を僅かに開いた天照大神。それを好機に、手力雄神が岩戸を力づくで開けようとします。
力を振り絞るべく、襷をかける手力雄神。
三番の舞はいよいよクライマックスへ。手力雄神が口上を述べ、岩戸を開きにかかります。
左の岩戸を開き、高々と掲げます。
残る右の岩戸を引き開ける手力雄神。その向こうから天照大神に見立てた榊が現れました。
舞が終わり、手力雄神がご神体に続いて客席にも一礼し、天岩戸伝説の三部の舞が終わりました。
ここでしばし幕間。高千穂観光協会のキャラクター「うずめちゃん」が舞台に登場しました。
アピールに余念がないのか、うずめちゃんは何かと動き回り、協会の人からも「落ち着きなさい!」とツッコミが入ります。聞けば今日は朝4時半に高千穂を出て高知にやってきたそうで、そろそろ眠気でテンションがおかしくなる時間帯です。
といううずめちゃんのご紹介も終わり、残る一番「ご神体の舞」が舞われます。
舞台に登場したイザナギ・イザナミ。こちらの舞は国産み伝説に基づくものだそうですが、舞自体は非常にコミカルなものです。
口げんかにでもなったのか、イザナギがイザナミの元を離れます。このあとイザナギは客席に降り、女性を見つけてはちょっかいをかけていきます。それを見つけたイザナミはイザナギのところまで降りて連れ戻そうとするのですが、こちらはこちらでイケメン(?)を見つけると寄っていく始末。何と言うか、どっちもどっちでしょうがない神様です。
それにしても、客弄りをする神楽なんて初めて見ました。
という脱線はありつつも、お互い機嫌を直したイザナギとイザナミ。
桶に入った酒をイザナギが飲み干し、突っ伏したところにイザナミが迫っていきます。これ、国産み伝説とは聞きましたが、あるいはそれ以前の話かも知れません。
舞の後は高千穂神社でお祓いを受けた餅が振る舞われます。前の方の席には餅を投げていくというので、餅投げ好きな高知県民、色めきます。われわれも遠慮せず餅を頂き、神楽はお開きになりました。
この後はひとまず追手門の方へ。石段にはLEDライトが各所に置かれ、仄かに照らし出されています。
追手門を出ると、大きな灯籠が並んでいます。その奥には闇夜に浮かぶ天守、幻想的な風景が広がります。
カレー&ラーメンフェスタは昨日で終わりましたが、秋のお城まつりは15日(日)まで開催。神楽も毎夜異なるものが披露されます。詳しくは高知城のウェブサイトにて。