シーズン前から注目されたマニー・ラミレス選手が後期途中で膝の治療のためチームを離脱、戻ってこないまま今季が終了しようとしています。ただ、いちばんの問題は彼の不在ではないわけで……
■ 高知FD マニー狂騒曲 終演か 後期終了目前でまだ戻らず|高知新聞(2017年9月16日)
記事によればマニー本人から球団に連絡はないわ、県内のファンからは何の問い合わせもないわ。前期はそれはもう大騒ぎでしたし、その一端はお伝えしてきましたが、ブームが去るときはこういうものなんでしょう。
もっとも、地元にいる身から言わせてもらえれば、「おらんもんはしゃあない」わけです。帰国した理由について、穿った見方をしようと思えばいくらでもできますし、そいう見方を勝手にして勝手に怒ったり呆れたり嗤ったりすることもできるわけです(まぁ勝手なことですが)。
ですが、そうしたところで、何がどう良くなるわけでもありません。それに個人的な立場を言えば、今季のマニー騒ぎを楽しませてもらいこそすれ、困ったことは何一つなかったわけで、彼に対してエラそうな物言いをする気もありません。来期以降のことも含め、詳しい話が今後明らかになってくるかも知れませんが、その時はその時です。
むしろ、問題はマニーよりも、彼の離脱とともに負けがこんでしまった後期のファイティングドッグスです。あくまで「離脱とともに」であって、マニーが抜けたことが原因とまで言えるかは分かりません。駒田監督はマニーに頼る戦いはしていないと言っていますし、その言葉に嘘があるとも思えません。
とはいえ、勝負事は結果のあるものです。意図はどうあれ、ファイティングドッグスがマニー抜きで勝ちきれなかったのは否定できません。一方で、後期にはチームの失点も4チーム中最悪レベルになっていて、これはマニー云々とはほとんど関係ないはずです。投打とも勝負どころで結果を出すためにはどうすべきか、緊迫した場面でいかに地力を発揮するか、チームとしてもう一段成長が必要とは言えるでしょう。
ここではグランド内の話になりましたが、営業面も含め、今シーズンはマニーがいた前期、ほとんど離脱した後期と対照的なシーズンになりました。ただ見方を変えれば、「対照実験」とは言わないまでも、比較可能なデータがたくさんとれたはずです。それらを活用することで、今後の運営に役に立つ可能性は高そうです。
そして、特に運営面に関しては、われわれ高知大学地域協働学部も今年からコミットを始めたわけで、他人事では決してありません。今季の経験を踏まえ、来期以降の球団の魅力をどう高めていくか、われわれも含めて問われることになります。