仁淀川町は長者地区での現地報告会、準備も一通りできたところで、集まってきた地域の方々をお迎えしてスタートです(写真は異なります)。
なお、前篇はこちらからどうぞ。
こちらが今回の報告タイトル。大豊町での報告会でもそうでしたが、各実習チームがひとまとまりで報告を行います。
実習内容を紹介するスライド。
先程のようないわゆるサービスラーニングに加え、地域の方々へのインタビューやワークショップ等から、地域について学んだこと、考えたことを報告していきます。
もっとも、各地域に集中的に入るようになったのは昨年10月からのこと。3ヶ月ちょっとで地域が理解できるのか、という問いは尤もですし、大豊での実習や学内学習の過程でも、学生自身がそういう疑問を吐露することもありました。僅かな期間に数回入っただけの地域を「理解した」と言える人は、少なくとも私が担当した限りではまずいない。これは、授業を持ってみて実感したことです。
とはいえ、その中でも学んだり思索したりした結果はあるわけです。そして、それが適切なものかどうかは、地域の方々含め、他のさまざまな人に伝えたり、議論したりしない限り分からないわけです。実際に表に出してみて、間違っていたら直せばいいわけですし、それができない学生が集まっているとも思いませんし。
自分の認識を、自分の頭の中だけで正しいと思い込むよりは、多少は危うい理解でも、間違いを指摘される機会を経験させる方が、はるかに良いのは間違いないのです。実際授業で得た理解が「多少は」危ういで済んでいるかどうかは、これはこれで問題にもなりますが、この辺はこれからさらに学んでいく過程で学生たちが実感として察知することでしょう。
付言すれば、1年次の授業を通じて目標となるのは「地域理解力」の獲得であって、理解そのものが最大の目的というわけではない、ということです。先程インタビューやワークショップというのを例示しましたが、それらも含むさまざまな方法で、地域を理解するためのスキルを身に付ける方が、実は焦点だったりします。この辺は学部カリキュラム等をご参照いただければと思います。ただこれも一朝一夕にはいかないわけで、来年度の実習等授業を通じて、どの程度身についたかを再確認していくことになるのでしょう。
報告終了後は、地域の方々と学生がグループに分かれ、長者地区の将来を考えるグループワークを行いました。
より魅力や活力のある地域にするために、それぞれがアイディアを出しあいます。アイディアがまとまったら、それぞれのグループが結果を発表し、報告会のメインは無事終了しました。
ところで、ここまで報告会の話ばかりになってしまったので、肝心の長者地区について、いくつか写真をば。
仁淀川町長者地区と言えば、ご覧の通り一面に広がる棚田の光景。数日前の雪で、今はどこも覆われています。
こちらは昨年5月下旬に訪れた際の写真。最近は休耕田が増えているのですが、それでも10年近く前から地域の方々と高知大学生との協働で、菖蒲を植えたりイベントを開催するなどして、棚田の風景を守る取り組みが繰り広げられています。
長者地区を訪れてもう1つ目に入るのが、農家レストランの大きな看板。地域の方々の力と高知県の支援で開設された「集落活動センターだんだんの里」の活動の1つとしてオープンしています。
こちらが店内。名物「星ヶ窪カレー」などのメニューのほか、地元の農産品も売っています。
こちらはキャンドルナイト等のイベント、尾﨑県知事が訪問した時の写真等。
農家レストランから見た冬の長者地区。棚田と並ぶもう1つのシンボル、長者の大銀杏も今は冬枯れ、雪景色の中で佇んでいます。
しかし春になれば、枝々にまた葉が生い茂ります。その頃、2年次になった学生が、また大銀杏の下に戻ってきます。
【追記】地域協働学部ウェブサイトでも実習報告がアップされましたのでご紹介。