冬の晴れた朝。日向に出れば底冷えがようやく緩む頃、六反地駅に降り立ちました。
数えるほどの乗客とともに、六反地を発っていった1両だけのディーゼルカー。
それも去ってしまえば、静かな冬枯れの風景が広がります。
細い1本だけのホームに小さな待合場所。駅の旅を続けてきて、お馴染みとなった光景です。
駅に通じる細い道を下り、振り返ってみました。
駅舎もなければ線路も見えない、コンクリートの築堤上の構造物。そうと知らなければ、ここを駅と気づかない人がいても不思議には思えません。
駅のそばを走る国道を渡ると、材木置き場が広がっていました。朝早くから、建築機会が材木を並べています。
その傍らに、新しそうな石碑が建てられていました。
ここがかつて中学校であった事実を遺す石碑。
いずこも同じ少子化・過疎化で、学校の統廃合が県内各地で進んでいます。廃校の中には新たな形で利用されるところもありますが、ここにあった旧仁井田中学校の建物は、もはや跡形もなくなっています。
駅に戻ってきました。この間、人の姿を見ることはありません。
ようやくやって来たワンマンカー。わずかとはいえ人々の姿を確認できる列車で、駅をあとにしました。