高知県中西部、仁淀水系にある日高村。その中心地に位置するのが、日下駅です。
駅前の駐輪場の中にある大木。場所が場所だけに、普通なら駐輪場整備の時に切り倒されそうなものです。
立札にこの木の由緒が記されています。
既に出た話ですが、県内で初めて鉄道線が開業したのが、須崎からこの日下まで。当時記念に植えられたのが、この銀杏の木ということです。今も大事に残されているのもうなずけることです。
和風というか、どこか時代がかった駅舎。
駅名を記した一枚板も、鉄道駅にしては古めかしい印象。
待合室は珍しいことに、4つのベンチが内向きに囲むように配されています。他で見かける配置ではない気がするのですが、なぜこうなっているのかは不思議です。
高知線の歌。六番の歌詞は土佐加茂駅にも掲げられていました。七番で歌われる小村神社の近くには、現在小村神社前駅がありますが、開設されたのは時代が大幅に下って2008年のことなので、この歌詞は日下駅のことを歌ったことになります。
ホームに出ると、構内踏切のはるか先まで行き違い用の線路が延びています。かつてはこの先の合流地点近くまでを貨物列車が使っていたのでしょう。
ただ、現在では普通列車が停まるだけのローカル駅。すぐそばを国道33号線が走るだけに、はたしてどれほどの人がこの駅を利用しているのか、という疑問も湧いてきます。
県下の鉄道の歴史を開いた日下駅。歓声に沸いたであろうその日をはじめ、昔日の賑わいを知るのは、ひとり駅前の銀杏の木のみです。