第2学期大豊町での実習2回目。今回は町の東北部の山上に広がる怒田(ぬた)集落で、稲刈りを体験してきました。私自身、実は生まれて初めての稲刈りだったりします。
まずは地域協働学部ウェブサイトでのお知らせをご一読ください。
怒田(もっぺん書きます。「ぬた」と読みます)がある高知県嶺北地方は、太平洋沿岸や四万十川流域というありがちな高知のイメージとは異なり、杉の山林に囲まれた中を吉野川水系によって刻み込まれた谷が通る地域です。集落があるのは海抜400~500メートル以上の中山間、と書くと海抜の表現が大雑把に見えるかも知れませんが、先程地図で調べたら本当に集落が400~500メートル台のところに及んでいたのだから仕方ありません。
ちなみにふもとの谷は海抜300メートルちょっと、そこから集落へは1車線の急峻な上り坂を一気に駆け上がっていくことになります。鬱蒼とした杉林の中を走っていると、このままどこに連れていかれるのか分からない不安にかられそうなものですが(初めて行った時がそうでした)、そこから急に視界が開けて目の前に集落と棚田が飛び込んでくるのは、既に何回か訪れた今でも、結構感動的なものです。そこからさらに旧小学校跡に建てられた集会施設「ふるさと館」や集落のお堂の前を通り、目的地到着です。
怒田集落より棚田や山々を眺めます。ご覧の通りの山の上です。
この辺りは山のふもとに加え、斜面ごとに集落があるそうですが、ほとんどの集落が過疎や高齢化で、存続自体が危ぶまれる状況です。
今でこそ馬路村や北川村の柚子が有名ですが、嶺北も特産地です。
山の上の集落にスーパーやコンビニはありません。貴重な買い物先の1つが移動販売車です。
さて、稲刈りというと平地で大規模なコンバインが稼働しているのを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうが、棚田でそういうわけにはいきません。今回は体験ということもあり、小型機械を使う組と、稲刈り用のカマで刈る組に分かれました。私はカマで刈る方でしたが、これが意外に刈りやすい。思っていたほど稲が固くなかったのです。ただ不思議なのが、私は左利きなのですが、カマを左で持つよりも右で持った方がよほど刈りやすい。それに気づいて作業がやりやすくなったのは確かですが、そりゃ右利きの方が能が良いよなぁと、どうにも複雑な思いがしたのも正直なところです。
ともあれ、収穫作業は進みます。まだ刈り取るには早い稲もあるらしいので(イマイチ見分け方が分かってないんですが)、その辺は残すことにしました。
刈り取った稲穂は藁で束ねた上で干し場で干します。この干し場作りも実習メニューの1つ、足場を組んで竹を渡す作業の模様は、学部サイトでぜひご覧ください。
ちなみに、稲を天日干しする場合は1週間から10日ぐらいかけるという話。ただ干し場を作るのは結構大変で、せっかく足を組んでもなかなか安定してくれないこともありました。はたして無事天日干しができたのか、干し場はもってくれたのか。次に怒田を訪れる時には結果が出ているので、聞いてみたいものです。少々恐る恐るな面もありますが……