今年度(2020年度)第1学期に行ったオンライン授業のサンプルを公開します。オンラインでの授業についての実践報告ですが、高知大学地域協働学部への進学を考えている皆さんのご参考にもなれば幸いです。
1. サンプルを公開する授業について
以下、授業資料のサンプルを示す前に、今回公開する授業についてご紹介します。ちょっと長くなってしまうのですが、この授業の開講形式について、背景をきちんとご説明しないといけませんので、ぜひご一読ください。
今回公開するのは、上記のうち「社会調査論」の第2回資料です。
この授業は例年なら講義形式で行っています。受講生を前に講師が話していく形式です。大学の授業として、おそらくいちばんイメージしやすいものだと思います(もっとも、受講生数は100人をはるかに下回りますが)。
ただしオンラインでの開講に伴い、本講については、受講生の追加的な負担を最小限にして、学ぶべき内容は通常通り提供することを基本方針としました。
そのため、まず配信形式は「オンデマンド形式」にしました。授業時間に合わせて講義を生配信するのではなく、資料をインターネット上にアップして、受講生がダウンロードの上、期限までの都合の良い時間に資料を読むとともに、課題があればそちらにも取り組むというものです。
これは、他の多くの授業でオンタイム形式、つまり授業時間に合わせた生ないし録画・録音講義を配信すること、そしてそれらによるデータ通信量が膨大になることが予想されたためです。
あと、本来の時間が1時間目だったこともあります。通常なら時間割の都合上仕方ないのですが、どうしても朝もはよから授業を受けてもらう理由はないですからね。
また、資料はMicrosoft Powerpointにて作成、必要な解説は各スライドのノートにつける形としました。つまり、音声は一切入れていません。
これも、データ量の縮約がいちばんの理由です。どうしても音声が必要ならば、PowerPointの読み上げ機能や、他の読み上げソフトを使えば良いですし、膨大なデータ量を使わされ、通信制限の不安も感じながら聴くのがプロの声優さんの声ならまだしも、おっさんのたどたどしいしゃべりでは、たまったもんじゃないでしょう。
加えて、受講生には授業資料に取り組んでもらった後に、3種類の課題を出しました。第1に、毎回の授業で授業内容への感想、意見や質問等を記す「リアクション」、第2に、授業内容のチェックのための小テストを5回、第3に、最終授業回終了後の確認テスト(期末テストの代替)です。
ただし、リアクションで寄せられた質問には回答が必要です。それ以外にも、対応すべきコメントも出てきます。それらについては、次回授業の資料配信時に別途Q&Aファイルを作成し、当方からの回答・対応・ツッコミ等を示しました。
このほか、通常の授業時間内にウェブ会議ツールZoomを利用したオンタイムでの相談コーナーを設け、直接質問も受け付けました(あまり利用者はいませんでしたが……)。
以上を踏まえ、次にサンプルをお示しします。
2. 授業資料サンプルとおことわり
前置きが長くなりましたが、次に授業資料のサンプルについて、Slideshareにアップしたものを共有します。
ただしシステムの都合上、授業資料は受講生が実際に見た者とは若干異なります。というのは、各スライドの直下にノートがついた状態を正確には再現できなかったため、ノートの無いスライド、ノートの記述を記したPDFの2種類にファイルを分けざるを得なかったためです。
なお、Q&A篇はノートがないので、そのまま掲載しております。以下、それぞれご覧ください。
3. その他の授業および学部・大学について
ここでご紹介したのは、高知大学地域協働学部の授業のうちたった1科目です。特に、本学部の受験をお考えの方なら、実習授業やグループワーク等への関心が高いことでしょう。
それらにつきましては、まずは学部の電子パンフレットをご覧ください。
その上で、昨日(8月18日)から開催中の、webオープンキャンパスにもおいでてください。前回のエントリでもお伝えしましたので、そちらからお進み頂ければ幸いです。
もっとも、「社会調査論」は学部必修の授業です。しかも入学直後に入ってきます。
ですので、本学部に入学されたあかつきには、こういう授業を受けることになるのだと思っていただくと良いかと思います。こういう学部だからこそ、学内の授業も大事なんですよ。