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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

シリーズ土佐の駅(152)土佐入野駅(土佐くろしお鉄道中村線)

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 旧大方町に入り、太平洋の浜辺を隔てる松原に沿って走る土佐くろしお鉄道中村線。その途中で、今は黒潮町となった役場のすぐ近く、土佐入野駅に停まります。

 

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 中村に向けて走る普通列車。この後松原と別れ、最後の峠道に挑んでいきます。

 

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 列車が去ったホーム。役場のある辺りだけあって住宅が多く並んでいます。

 

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 反対側の窪川方面。この光景からは信じられないかも知れませんが、浜辺まで歩いて10分程のところです。

 

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 見た目はとにかく、距離としては海の近くにある駅。浸水予測も恐ろしいものになっています。高さ7.5メートルではなく、ホームの上からさらに7.5メートルまでの津波なのです。

 

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 ホームを降りて駅舎に入ります。係員はいませんが、中にお菓子屋さんが入っています。

 

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 プリンの幟に心惹かれます。保冷剤でも持っていればお土産に買えるのですがそうもいかず、焼き菓子を買って帰ることにしました。

 

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 天井に飾られているのは魚の篭。大人ふたりぐらいは余裕で入れる大きさなので、昔は男女の逢引きにも使われた、という話を聞いたことがあります。

 

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 喫煙や不法投棄の禁止を示す掲示。暗い夜には見たくありません。

 

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 駅舎の外に出てみました。駅名板は見当たらず、お菓子屋さんの看板が目立っています。

 

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 駅前のロータリー。落ち着いた造りの駅舎とは対照的に、駐車スペースの柱がカラフルに彩られています。

 

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 ホームのすぐそばにバス停があります。駅前広場であることが分かりにくいこの辺りで、バス停の名称が、ここに駅があることを何とか示しています。

 

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 ここに来るのは、平日に路線バスが1日10本あまりと、週3日のコミュニティバス。休日はまったくの休みになります。

 

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 駅前にある観光案内図は、南が上になっていて、太平洋に開けた印象を与えます。大方エリアとなっているのは、町の合併前に作られたからでしょうか。

 

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 近くにあったスローガンも、町名が修正した上から書かれていたり、字の大きさが微妙に違ったりで、大方町時代の名残が見て取れます。それにしても、なかなか急進的な標語とイラストではあります。

 

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 少し離れて、駅前広場を一望します。駅のホームは生垣に隠れ、ここからは見えません。そしてその先では、松原で砂浜と海が隠れています。

 

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 再び駅に向かうと、ようやく駅舎に示された駅名がありました。書体は凝っていますがまるで慎ましやかな佇まい、ここが駅であることを示す役割は果たせているのかと心配になります。

 

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 ホームの先、線路と畑の先には住宅が並びます。さらに松原を抜ければ、太平洋が一面に広がっていきます。

 

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 ホームの近くに標語が建てられていました。長さ4キロはあろうかという松原は壮観そのもので、強い汐風から人々を守る存在でもあります。ただ、もし南海トラフ地震が来たら……そんな懸念が頭をよぎります。

 ベンチに座っていると、個人旅行の外国人2人組が話しかけてきました。窪川に行くそうで、次の列車に乗れば良いかどうかを尋ねてきたのです。確かに次の列車は上りの特急、間違いないと答えたところ、彼女たちは一礼するとガイドブックを見ながらいろいろ話しています。さらに旅の計画を練っているのでしょうか。

 

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 はたして特急南風が到着。土佐入野駅は全ての特急列車の停車駅です。先の旅行客は無事列車に乗り込み、窪川へと向かっていきました。

 

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 こんどは下りのあしずりが到着。わずか2両の列車が数人の乗客を降ろすと、終着駅中村に向かっていきます。

 

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 そして私が乗るのは普通列車宿毛のはなちゃんが描かれた車両が、中村から帰ってきました。ようやく乗り込んだ列車は冷房が効いていて、昼下がりの熱気から解放されて一息ついたのでした。