はりまや橋から後免町までを結ぶとさでん交通伊野線は、高知市中心部以外のほとんどで国道195号線の南側を走ります。その国道195号線が、高知道高知インターに向かう県道と交わるところに、県立美術館通電停はあります。
交差点を避ける県道の高架に挟まれた電停。すぐとなりにバス停が併設されていて、その場で乗り換えができるようになっています。
向かい合う上下のホーム。屋根の色とスロープ、緑の掲示版はいかにもとさでんのホームですが、高架下という位置が、他とは違った印象を与えます。
この電停の名の元となったのは高知県立美術館。シャガールと写真家石元泰博のコレクションで知られる美術館は、電停からは北に歩けば、その姿を現します。
20年前あまりに開館した比較的新しい美術館ですが、土蔵をイメージさせつつも、さまざまな意匠を配した、じっくり見るほどに凝っているデザインです。
ちょうど行われていたのがマリメッコ展。国内数ヶ所を巡回する展覧会のトップがここ、高知県立美術館で行われるのだとか。今回ここに来たのも、実はこの展覧会が契機です。
北欧デザインの粋を堪能してから、美術館内のカフェ「マルク」へ。展覧会に合わせて、北欧のサーモンサンドが特別メニューで出ていました。思いは高知から遠く北国のフィンランドへと駆けていきます。
美術館から電停に戻ると、西行のホームに、鏡川橋行の電車が到着しました。はバス停と一続きということで、他よりも広いスペースがあり、珍しく常設のベンチが置かれています。
電車が数人の乗客を降ろして行くと、入れ違いで文殊通行の電車がやってきました。その向こうには、隣の西高須電停のホーム安全地帯が見えています。
電停と向かい合うバス停。
近年にできた高知の公共施設にあるように、この待合室も木材を活用したものになっています。
この電停そばには、高架下のスペースを利用した駐車場が確保されていて、パークアンドライドが利用できるようになっています。評判がいいのか、私が訪れた時にはキャンセル待ちの状態です。
ただ、訪れたのは休日の昼間。平日でもなければ車はまばらです。
二手に分かれた高架の向こうに見えるのは五台山。四国八十八箇所の1つ竹林寺や、牧野富太郎博士を記念した植物園などがありますが、県道上下線の間には高速道路が建設予定のため、この光景はいつまでも見られるものではありません。
次の鏡川橋行がやって来ました。とさでん交通の新たな塗装の電車で、西へと向かいます。