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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

第19回世界社会学会議参加記(2)Opening Day

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 トロントの夜が明けました。いよいよ世界社会学会議が始まります。肝心の報告の準備はまだ終わっておらず、普通に書類仕事もしているので、なかなか気分が盛り上がってこないのですが、とにもかくにも初日です。

 

 

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 目の前にCNタワーの根元が植わっています。こちらもフランス語・英語併記、だと思います。

 

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 オープニング・イベント自体は夕方からなので、その前に市内見学と昼食調達に出ます。

 トロントMLBブルージェイズのホームタウン。ユニオン駅のすぐ近くに、本拠地のロジャーズスタジアムがあります。世界社会学会議の会場からも近いですし、ホテルからはもっと近いので、是非とも観戦に行き……たかったのですが、期間中のホームゲームが少ない上に、会議をサボるわけにもいかないので、泣く泣く断念です。

 

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 会場のメトロ・トロント・コンヴェンション・センターを下見。この日は夕方からのスケジュールですが、既に世界社会学会議の案内が出ています。

 

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 市内を東西に歩いて、セント・ローレンス・マーケットまで来ました。滞在中に必要なものから、気の早い話ですがお土産物まで探すのが目的です。

 

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 が、この日は日曜日で休み。さっそく出鼻をくじかれました。

 ただ、ちょっとショックを受けて突っ立っていると、地元の方と思しきご婦人が近づいてきて、

 「今日はアンティークのマーケットがあるわよ。1ブロック南に行ってみなさい」

 と一言。当方が余程外国人観光客然としていたのか、頼んでもいないのに教えてもらいました。日本だとどうだろうな、と一瞬思ったのですが、この辺は言語の問題もあるので、単純には比較しがたいところです。

 ちなみに、マーケットに行ってみたところ、古道具や昔のオーディオに加えてレコードが結構ありました。かなり心を動かされたのですが、1枚でも買おうものなら2枚、3枚と欲が出て、大変なことになりそうなので、心を鬼にして止めておきました。

 

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 マーケットから歩いていくと、謎のジャパネスクが登場。何者かと調べてみると、ニッケイ料理、日本料理という看板ではなくて、日本・ペルーのニッケイ料理のお店とのことです。にしても、なぜチョットマッテ。

 

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 鉄道のガードをくぐり、オンタリオ湖の近くまで来ると、路面電車のルートになります。線路をすいすいと走るのは、日本なら広島にいるのと似た系列の車両です。

 ただ、マニアの方なら、前面を見て「!?」となるかも知れません。架線から電気を取る集電器、日本ではとっくに廃れたトロリーポールが、いかにも新しい車両に備わっているのです。

 ただ、なんでまたこんなものがあるのかは謎です。区間によって終電できる電気の容量でも違うのか、あるいは別の理由があるのか。ともあれ、LRTの先進地と思しき北米で、まさか見るとは思っていなかったものです。

 

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 この辺りは高層マンションが立ち並ぶ、見るからに新興住宅街と思しき一帯になっています。正直言えば、来る前に抱いていたトロントのイメージとはだいぶ違います。

 

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 そんな一角にあったスーパーマーケットで見つけたサモサを昼食に買い、いったんホテルに戻ります。お昼を食べて仕事を済ませれば、ちょうど良い時間。いよいよ会場に向かいます。

 

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 メトロ・トロント・コンヴェンション・センター(長いのでここからはMTCC)の受付にやってきました。MTCCは鉄道を隔てて南北に施設があり、今回のメイン会場は北側です。

 

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 受付には千人単位の参加者が集まります。一部の日程のみ参加する人も少なくないのですが、それでもオープニングの直前ともなれば結構な混雑です。

 受付は登録済の参加者に当日参加、メディアに分かれ、登録済の参加者はさらにアルファベット順でカウンターが分かれています。ただそのおかげで受付自体はスムーズに進み、名前と所属を告げるとすぐにネームプレートがもらえました。

 この他の資料については別のカウンターで配布しているとのことで、そちらにも出向くと、ロゴの入った大きな黒いポリエステルのバッグを貰いました。サイズからすれば15インチノートでも兵器ではいるぐらいで、重宝しそうにも思ったのですが、素材が素材なので重いものを入れるのには不安もあり、会期中は普通にビジネスバッグを使うことにしました。

 

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 MTCCのフロア表示は日本からすると変わっていて、北館は下からフロアごとに100、200、300番台となり、南館は逆に上から400、500、600、700、800と、番号が100増えるごとにフロアが1つ下がります。オープニングセレモニーがあるのは100番台のフロア、日本で言う地下1階です。

 

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 セレモニーの会場に入ると、カナダのファースト・ネーションズによるドラム演奏の披露中です。

 「ファースト・ネーションズ(ファースト・ネーション)」はカナダの先住民のうち、イヌイットとメティ(ファースト・ネーションズと白人双方の血を引く人々)以外の人々に対する呼称です。公的には「インディアン」という呼称も残っているのですが、彼/彼女ら自身は、やはり自らをファースト・ネーション(ズ)と呼ぶようです。

 

www.canadainternational.gc.ca

 

 多文化主義の例としてしばしば引き合いに出されるカナダ。この後のセレモニーでも、ファースト・ネーションの登壇者によるスピーチがありました。

 ただ、会に参加するにはそれなりの費用が必要で、その費用が出せなかった人々もいるわけです。他の方のスピーチにもありましたが、そんな人々のことも思い出しておかなければならない、とは思います。

 

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 セレモニーの次はウェルカム・パーティ。30分近く待って、ようやく会場に案内されました。

 

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 パーティの食べ物は自由ですが、ドリンクは受付の時に貰ったチケットと引き換え、つまりはワンドリンクのみです。お金を払えば追加も可能ですが、1杯10ドル前後、物価の違いとかいうレベルを超えていて、とても手が出ません。

 

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 ただ、フードメニューはトロントの多文化性を反映していて、いろいろなルーツのものが出ています。こちらは巻きずしなのですが、いわく「ヴェジタリアン・マキ・スシ・ロールズ」。マキ(maki)はそのまんまローマ字です。

 

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 日本食のオーセンシティについてはいろいろ議論があるようですが、個人的には日本発祥のものがどのようにローカライズされ、独自の発展を遂げるのかには非常に興味があります。そう言えば、以前ポートランドに行った時も、オレゴン・ロールというのがありました。

 

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 出入口にはデザートも並んでいます。アルコールがほとんど入っていないので、しばし甘党に鞍替えして、オープニング・デーの日程を終えました。

 

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