雪が止み、風が止まり、僅かな晴れ間が少しずつ広がってきました。多少足取りも軽く坂を上ると、城山の上の風景が開けていきます。
先程の表門の裏側には柵が置かれています。確かに、登るより降りる方が危なさそうです。
かつて本丸があった辺りでしょうか。公園の真ん中あたりに、銅像が立っています。
銅像のすぐ横に、解説の碑文がありました。
最後の藩主佐竹義尭公の銅像を復元したものとのことです。大正期に建てた銅像すら復元というのもどこか悲しいものですが、他の建造物よりは、元のものに忠実だと思いたいです。
埋門跡、とありますが、この分だと標柱も埋まりそうです。
ここも城門の跡だそうですが、今見ている先が出入り口で良いのか自信がありません。ま、この季節なら門が無くても攻める方は苦労しそうですが。
さらに歩くと、こちらも城門跡のようですが、先程と違い手すりがありました。訪問者の姿は見かけないのですが、先程の野球部員たちが、三々五々走っていきます。これこそ雪国の野球部、というところでしょうか。
奥に池があって、貴重なハスが生えているそうです。そんな風には見えませんが、まぁそう言うからにはそうなんでしょう。庭木には雪吊が施され、まだ残る冬を耐えています。
一通り久保田城・千秋公園を見ました。そろそろバスの時間も近いので、秋田駅前に戻ります。
秋田空港からは羽田行の飛行機に乗るのですが、今のところ欠航の情報はありません。多少の遅れはあるかも知れませんが、それも空港に行けば分かることなので、ともあれリムジンバスに乗り込みます。
はたして飛行機は25分の遅れの見込み。除雪が続く中、どうしても影響が出てしまうのは仕方ありません。
再び降り出した雪の中、除雪車が高速で横切っていきます。
飛行機の通るルートの除雪は入念に。
そんな中、ようやく飛行機が着き、搭乗できることになりました。
着雪を取り除いているところ。場所によっては致命的なミス・誤作動につながるので、気は抜けません。
飛行機が飛んでくれないと困るのですが、さりとてもう少し楽しみたい気もする秋田の旅。またの機会を願いつつ搭乗すると、しばらくして離陸、揺れながらも無事高度を上昇させ、羽田へと飛んでいきます。そして降りた先は、雪など結晶の1つもない世界。厳冬の旅路はいつも、それが夢だったかのような風景を見て、過去のものになっていきます。
(了)