四国西南の果て、宿毛港に着きました。ここでしばし九州へのフェリーを待ちます。
年末の待合室。クリスマスと正月の飾り付けが同居しています。
バスがフェリー乗り場に着いたのは、出航のかなり前。切符売り場はまだ開いていません。
切符売り場に宿毛フェリーの歌と思しき歌詞が掲げられています。画像では文字が小さくて読みづらいと思いますが、一番下には2004年12月15日の日付と「運航再開の日」と書いてあります。実は宿毛・佐伯間のフェリーは利用者減少によっていちど運航が停止した後、1年近い空白を経て再開された歴史があります。
■ 国道交通省(2016)『旅客船活性化事例集~ベストプラクティス~』(事例8参照)
この航路が復活していなかったら、高知県からフェリーが完全になくなっていたところです。相次ぐ大型客船の寄港がもてはやされる昨今ですが、私が乗る機会はまずないでしょうし、むしろ母方の郷里が小豆島にある私にとっては、フェリーの方がはるかに身近で、気持ちの入る存在です。
時間があるので、しばらく付近を歩いてみます。外の自動販売機にはフェリーの飾り付けがついています。
宿毛港は佐伯へのフェリーのほか、漁船や釣り船、市営の定期船も出ています。奥の大きな白い船が定期船で、1日2回近隣の島を回ります。
フェリー乗り場に、地元での買い物を呼びかける看板が出ています。私も出航前に酒の1本も買い込んでおきたいのですが、肝心の商店が見当たらず断念。個人商店でもコンビニでも構わないのですが、何とかならんもんでしょうか。
さて、市営定期船の乗り場は、フェリー乗り場からバス停1つ分離れた所にあります。この日は既に最終便も出てしまい、乗り場に人気はありません。
と思ったら、そもそも欠航していたとのこと!ここまで来てフェリーも決行なんてことはないですよね……
不安になっていたところですが、無事フェリーが佐伯から入港してきました。
ニューあしずり号。宿毛フェリーが唯一所有する船舶です。大きさは小豆島へのフェリーとそう変わらない感じで、これで外海に出るとなると、相当揺れるのではとの不安が頭をもたげます。フェリーが来るかどうか不安だったのが去ったところまた不安のタネ、気が休まりません。
側壁に描かれているのは、宿毛の冬の風物詩だるま夕日。夕日が水平線に映り、まさに日が沈まんとする僅かの間、ダルマのように見えるのです。出航は16時、うまくいけば船からも見られるかも知れないと、ちょっと期待も出てきます。