高知県立美術館のギャラリーで先月から新世界『透明標本』展が開催中。透明化かつ骨格が染色された妖美な生き物たちの標本を見に行ってきました。
美術館の展示は通常撮影禁止なのですが、この展示に関しては写真撮影もアップロードもOK。事前に分かっていたらカメラを持っていったのに、惜しいことをしてしまいました。ですので、今回はスマートフォンのカメラの写真でご容赦くださいませ。
ここで展示されている透明標本は、作家冨田伊織氏の手によるもの。もともと学術目的だった透明標本をアートにまで高めた立役者です。
透明標本の解説。ここでは魚の標本の写真が載っていますが、これから見ていくように、実際には様々な生き物の標本が作られています。
標本作りの用具や薬品。これだけ見ればラボと言う感じですが、標本がアートである以上、アトリエというのが良いような気もします。
透明標本作りのプロセス。染色するにも色が移り過ぎてもいけませんし、小さい標本を扱うことも多いようですし、とにかく扱いが大変そうです。
では、これから様々な透明標本を見ていきましょう。
こちらは魚類の標本。タツノオトシゴの標本もありますね。
両生類。いつもごっちゃになるのですが、イモリは両生類だそうです。
魚の標本なのですが、透明化してみると、真ん中下のアンコウやハチオコゼが別の魚を飲み込んでいたのが分かったそうです。
自分が食べた魚とともに標本になった魚。生きるという営みがここにあります。
甲殻類の標本。エビ、カブトガニ、そしてダイオウグソクムシ。見ていてお腹が減ってくるものと、そうでないものと両方あります。
軟体動物、撮影したのはタコとイカばかり。だんだんお寿司が食べたくなってきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
展示室には透明標本ができるまでの映像が投影されています。こうして見ると、標本というより不思議な生き物という感じです。
ハコフグも何か別の生き物のように見えてきます。
こちらは骨格が丸分かりの、いかにもな透明標本です。
イカの群れ。昔のシューティングゲームの敵に出てきそうです。
隣の展示室では、次々と透明標本が映し出されます。ただ、これが何の魚のものかは分かりません。
イカとタコが集結。放っておくと集まってしまうのか、後から職員の方が塊になっていたのをバラしにかかっていました。
こういう形で、タコやイカが1体ずつ塊から離され、薬剤の海の中を移送されていきます。
標本は哺乳類のものも鳥類のものもあるのですが、どうも海の生き物に関心が行ってしまいます。展示が水中っぽいからでしょうか(実際は薬品)。
展示の中には、透明標本が次々とライトアップされているものがあります。テーブルの真ん中が空いていますが、ここに何か召喚されるのでしょうか。骨格だけにこいつとか。
……ま、そんなことはないですよね。しばらくすると、映像が映し出されました。
新世界『透明標本』展は今月20日(日)まで、高知県立美術館で開催中。詳細は下記リンク先もご覧ください。