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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2016北海道・東日本パスの旅(4)小高駅にて

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 今回旅に出た大きな目的の1つは、小高から原ノ町、2駅9.4キロの区間に乗車すること。5年4ケ月ほどの空白を越えて、ようやくその出発点、小高駅に立つことができました。

 

 

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 竜田駅と同じ形状、まだ新しいバス停の標柱。たった2本なのは相変わらずですが、これで小高から公共交通機関で、直接南下することができるようになりました。

 

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 相馬野馬追で知られる南相馬市。車止めも馬の形ですが、チェスのナイトを彷彿とさせます。

 

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 駅前にはロータリークラブが寄贈した街灯。ただ、その後そばに放射線モニタリングポストができたため、そちらも寄贈されたような体になっています。

 

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 参考までに、としか言いようがないのですが、私が訪れた時の 空間線量です。

 

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 駅前広場のすぐ隣では、空き地一面に黄色いハンカチがいくつも、いくつも掲げられていました。

 

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 重く雲が垂れ込めた空ですが、居住制限区域、避難指示解除準備区域の解除を祝うハンカチは、それでもはためいて、そのメッセージを示しています。

 

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 小高駅舎。代行バスを降りた人は、ほとんどが地元の人々だったのか、それぞれ駅を離れていき、駅前にはほとんど人がいません。

 

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 駅舎に入りました。

 電車は1日9本。運転が再開されたとはいえ、小高まで運転される列車は決して多くはありません。

 

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 切符売り場は仙台方面の切符のみ販売。相馬-亘理間の代行バスならここで切符が買えますが、上り方面は完全に別扱いです。

  

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 券売機も時間限定。17:30に電車が出た後、17:50に稼働を終了して、その後の電車は19:20までない、というのはどうにも中途半端ですが、利用者とは関係ない、管理上の理由があるのでしょうか。

 

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 駅舎内にも区間線量率のモニタが置かれています。目に見えないものの数値が目に入る日々が続きます。

 

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 それでも、出口には、駅に降り立った人を迎える大きな絵が描かれていました。

 原ノ町、磐城太田、小高。その先はまだピンク色ですが、桃内駅から浪江、大熊、双葉の町の名前が記されています。

 

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 小高駅の駅長?

 残念ながら、それらしい姿は見られなかったのですが、いずれまた会えることもあるでしょうか。

 

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 改札の向こう、線路を挟んだ先にあるホーム。今は電車1本が折り返すだけの小高駅で、この2番線は使われません。

 

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 電車の時間が近づいたので、ホームに向かいました。

 本来のホームの先に真新しい仮設ホームが置かれ、その間は平面の通路で結ばれています。

 

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 小高から先の線路が復活するのは、予定では来年の春。おそらくがそれまで、反対側にある跨線橋は閉鎖中です。

 

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 いわきから上野方面。復旧に向けて線路が整備されつつありますが、一部の信号は使えないまま。

 

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 駅名板を見ると、不通の桃内駅がそのまま掲げられています。他のところなら、不通区間にある駅名は隠されていても不思議はないのですが、それだけ復旧が確かなものなのでしょうか。そうであってほしいのですが。

 

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 出発を待つ相馬行の2両の電車。12月に相馬から浜吉田の線路が再びつながるまで、どの他の鉄路からも隔離された中を往来し続けます。

 

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 いよいよ発車間際、電車に入ると、地元の子どもたちの描いた絵が、車両の左から右まで掲げられていました。

 そして電車は小高を発車。重苦しい天気の中、地域の未来の片鱗を乗せて、相馬へと走り出しました。