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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2016北海道・東日本パスの旅(3)代行バスで竜田から小高へ

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 JR常磐線、上野方面からの運転は相変わらずこの竜田駅まで。ここからは代行バス福島第一原発事故による帰還困難地域を縦断します。去年も通ったルートですが、今回は南から北へ。そして何より、途中の小高で再び鉄道に乗れるようになったのが、大きな違いです。

 

 

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 代行バス乗り場の標示。「途中停車駅は小高駅のみ」、しかし、たった1つの停車駅が初めてできたのです。

 

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 バスは既に停車中。以前と同じ観光型のバスです。電車が着いてからバスが出るまで10分ほど。せわしなく乗り込むと、ほどなく女性車掌も乗務して、バスは竜田駅を発車しました。

 

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 乗客は2, 3割程。雨が強まったり弱まったりする中、やはりほとんど誰も声を発せず、ただバスが北上します。

 

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 雨の中通りかかった交差点。この先に福島第二原子力発電所があるそうです。

 

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 しばらくすると、「除染の駅」と称する施設の前を通りかかりました。

 

www.kajima.co.jp

 

 ここが除染を集中的に行う拠点、というわけではなくて、除染活動の展示や休憩スペースがあるようです。

 旅の者にとっては、「除染」という言葉を目にして起きる感覚は、まるで安堵とは対極です。率直なところ、こればかりはどうしようもありません。ただ、せめて地元の方々が文字通りほっとできる場所であれば、そう願うのみです。

 

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 帰還困難区域が近いことを示す標識が目に入ります。雨が弱まり、また強まりを繰り返すうち、1年ぶりに帰還困難区域へと入ります。

 

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 大熊町を通り抜け、双葉町の市街地を過ぎるバス。交差点は今もバリケードと監視員に阻まれたままです。

 

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 相次ぐ再編で、双葉町も一部は帰還困難区域の指定が外されました。ただ、それでも道を折れることが許されない区域が、当たり前に残っています。

 

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 再び市街地を離れて進と、海まで続く平野が工事現場となっていて、何台ものクレーンが作業中です。

 

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 元は田畑だったところなのでしょうが、はたして何の工事を行っているのか。

 次私がここを通るときに、その答えは出ているでしょうか。

 そんな問いなど構わず、バスは南相馬市へ。そして、先月まで真っすぐに原ノ町駅まで向かっていた国道を折れ、鉄路が走る方へ向かいはじめます。

 

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 そして、バスは5年以上の眠りから覚めたJR小高駅の前で停まりました。ここから長く待たれた、私にとっては初めての区間を走る電車に乗り換えます。

 

 ご参考までに、昨年代行バスに乗った時のエントリです。

 

3710920269.hatenablog.jp

 

 

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