私が所属する多文化関係学会の第15回年次大会が先週末に佐賀大学で開催され、2日目朝のセッションで行われたラウンドテーブルトーク「大学院生およびポストドクター対象キャリア・セッション」に話題提供者として参加しました。
ラウンドテーブルの趣旨はタイトルの通りなのですが、より詳細な情報は大会サイトに掲載されております。
■ ラウンドテーブルトーク:「大学院生およびポストドクター対象キャリア・セッション」
今回の役割は大学院生・ポストドクター(博士課程修了後の任期制研究職、あるいはその職に就いている研究者)に対して、研究者のキャリアに関する話題を提供する、というものです。
特に私の場合、任期制のポストを渡り歩いたり途中で渡り損ねたり、その過程で研究内容自体も二転三転したりしたので、キャリアそのもので若い人たちを感心させられることなど全くないのですが、とはいえこれまでの過程で、新たな研究内容や分野に深く考えずに思い切って飛び込むことで、かえってキャリアや、研究対象に対するアプローチ、何より研究を続ける可能性も広がることぐらいは実感できたわけで、当日はその辺を話させていただきました。
個人的には、もう少し懇親会で宣伝すれば良かったとか(正直なところ気恥ずかしさが先に立ってしまい……)、話題提供の時間配分はもう少し考えるべきだったとか、一方でもう少し伝えられることがあったんじゃなかったかとか、いろいろ思うところはあります。とはいえ、とにもかくにも無事セッションを終えられたことは良かったと思っています。
ちなみに、「もう少し伝えられること」というので、後から1つ思いついたのが、
「公募は何十回落ちても、望んだポストをたった1つ取れれば勝ち」
というものです。
何十回も落ちる前提というのも、若い人を無駄に不安に陥れそうなのですが、現実問題1つのポストに数十人、条件が良ければ3ケタ台の応募が殺到するギョーカイです。私自身書類で落ちた経験は十数回ではききませんし、昔ネットには52連敗氏なんて猛者もいたので、公募は落ちて当たり前、ぐらいでないと精神がもたないんですよね。
まして、1人の人間がポストを複数とっても何の意味もないわけで、任期の定めのない常勤職に就けました、となれば、それまでのプロセスはオールオーケーなのです。
また、当日話した専門領域の話で、今日参考になりそうなツイートを見つけたのでご紹介。
大学時代に民俗学の教授が「1つ得意な分野でエキスパートになっても実は食えない。もう1つ特技があると途端に食える様になる」と言ってたが至言だと思う。
— 遠藤 浩輝 新連載はアフタヌーン (@hiroki_endo) 2016年10月1日
どういう経緯でこんな話になったのか、事実関係は分かりませんが、内容自体は確かに頷ける話ではあります。
ともあれ、来年の年次大会でどういうことをするのかはまだ分かりませんが、今回のラウンドテーブルトーク開催をきっかけに、若手支援のためのいろいろな動きが出てくれば、という願いはあります。