以前当ブログでも取り上げたモンゴルレスリング代表コーチによるパンツ一丁抗議事件、世界的には一瞬で消えた話題と言えそうですが、くだんのコーチと選手がこのほど帰国したモンゴルでどういうことになるのか、少しだけ気になってました。で、現地からの報道が入ってきたので、簡単にご紹介します。
事件そのものをあまりご存じない方は、ひとまず以前書いたエントリをお読みいただければ。
さて、この件でまず焦点となるのがモンゴルレスリング協会の対応です。結論から言うと、抗議の末退場となったコーチにはそれぞれ2年間の資格停止という罰が下されました。
英語での記事もあります。
また、レスリング協会はこの事件について国民に対して公式に謝罪しました。
確かにあの抗議で会場は盛り上がりましたが、だからと言って退場扱いにまでなった規定違反を放っておくことはできませんでした。国際レスリング協会からは9月1日までに報告を提出するよう求められていることもあり、処罰を含む対応を急いで公表することは避けられなかったようです。
一方、抗議の発端となった指導をレフェリーに取られたマンダフナラン選手ですが、こちらは当時特段の抗議もしなかったのでおとがめなし。そればかりか、一般市民や元選手からは特製のメダルや報奨金を受けることとなりました。
報道によれば、レスリングマステル連合(上記過去エントリ参照)が一般市民から寄付を募り、結果として2000万トゥグルグ(トグリグ)の報奨金と純金の特別メダルを贈ることが決まりました。報奨金は日本円で90万円程度です。
加えて、マンダフナラン選手には2部屋のアパート1区画も与えられたそうです。実際にメダルを獲得した選手にもアパートが与えられているので、実質的にはメダル獲得者にかなり近い扱いを受けていると言えそうです。
一方、気になる一般市民の反応については、目立ったものがないせいか、私が確認する限りでは、報道はありません。瞬間的には盛り上がった話題とはいえ、これで一件落着となりそうです。
ただ関係ないのですが、個人的に目を引かれたのが、レスリング協会の記者会見に同席した元横綱朝青龍、ダグワドルジ協会会長の姿。既にリオ五輪での成績不振等から引責辞任の意向を明らかにしていますが、会見には同席し、他の役員とともに頭を下げていました。これ、日本での力士(特に横綱)時代しか知らない人からすれば、かなり意外感のある姿ではないだろうか、とは思いました。