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第19回ウランバートル国際シンポジウムで研究報告を行いました

 

 第19回ウランバートル国際シンポジウムに出席、研究報告と司会を行いました。今回の報告も高知大学学術情報基盤図書館個人文庫に関するものですが、青木文庫以外にも手を広げてみました。

 

 

 第19回となるウランバートル国際シンポジウムが今年も行われました。今回は2026年9月5日(土)、モンゴル国立大学図書館での開催で、当方は研究報告とセッション司会を行いました。

 今回の報告のタイトルは「高知大学学術情報基盤図書館個人文庫におけるモンゴル帝国関連文献および資史料について」。長いですがそのまんまの内容なので、分かりやすくはあるかなとは思います。

 この報告を行った背景は、今回のシンポジウムのテーマが「多元的視点のなかのモンゴル帝国」だったことです。「多元的視点」というので、当初はモンゴル帝国における多様な文化・人間集団の扱いに着目し、多文化化する今日への示唆を探ろうかなと考えていたのですが、それだとどうしても表面的にならざるを得ないんですよね。モンゴル帝国の良い面だけを切り取った、いわば歴史版「出羽守」になってしまうというか。しかも、歴史学者でもなければ、ましてモンゴル帝国史を集中的に研究したわけでもない者が、帝国の制度や政策について、必要最低限の厳密さをもって論じられるかというと、甚だ疑問があるわけです。

 となると、今回も「困ったときの青木文庫」。以前にもご紹介した、弊学図書館の個人文庫の1つである故青木富太郎名誉教授の個人コレクションで紹介できそうなものを探して報告することにしました。

 ただ、その過程で、もう1つの個人文庫である「藤野文庫」にもモンゴル帝国関連の文献や史資料が多く保蔵されていることが判明。こちらは愛媛大学で教授を務められながら、1958年に急逝された故藤野彪氏の所蔵分権や史資料が遺贈されたもので、氏の主な研究テーマが元代の経済・財政や運輸であったことから、帝国史に関しては藤野文庫の方が充実しています(高知大学赴任後の青木氏の主な研究領域は北元以降のモンゴル史)。

 なので、本報告ではこれら双方の個人文庫について紹介しました。とはいえ藤野文庫については調査を始めたばかりなので、今回はあくまで現段階の状況を報告し、今後の方向性についてサラッと述べるにとどまっています。

 ただ、それにもかかわらず報告については出席した先生方の関心を持っていただけたようで、その点はありがたかったです。もっとも、今年のシンポジウムでの報告も、言葉は悪いですが「ありあわせの材料」で作った料理のようなもの。評価していただけたとすれば、ひとえに文献や史資料が良かったということに他なりません。

 ただ、それだけ良い材料を見つけ出せたことには、自分でも満足しています。