窪川行の列車までかなり時間がある中、まだ宇和島にいます。どう時間を潰すか考えた末、15年ぶりに訪れた予土線の愛媛県区間を行き来してみることにしました。
この辺りは現在の予土線が最初にできた辺りで、開通したのは松山・高松への鉄道よりも前のこと。駅前で保存されている機関車は当時のものの複製だそうで、もとは軽便鉄道として開業したためか、レール幅が狭く見えます。
開業後に駅の移転や予讃線開通による所属替え(予土線→予讃線)等を経て現在に至る宇和島駅。世が世なら、さらにここから愛媛県の南端を通って宿毛までの路線ができていたのですが、それは叶わず、今も行き止まりの駅となっています(そのおかげで、階段を上り下りせずにホームを移動できるのですが)。
そのホームに、予土線の列車が停まっています。
予土線のワンマンカー。これが窪川まで行ってくれればありがたいのですが、残念ながら愛媛県内の近永止まり。ただ、宇和島でやるべきこともないので、とりあえず近永まで行き来することにします。無目的な旅こそ至上の鉄道旅、と分かったようなことを言ってみます。
さて、宇和島の次の北宇和島から予土線に入った列車は、かなりの低速で谷あいを上っていきます。10分以上かけて隣の務田に着く頃には視界が開け、ディーゼルカーはようやく軽快に走り出します。さらに20分ほどで、列車は近永に着きました。
近永駅。宇和島市の隣、鬼北町の玄関口です。私が乗って来たのと同様、宇和島からの折り返し列車も1日数本運転されています。
構内踏切を渡ったところに、平屋の駅舎があります。暮れも押し詰まったところなのですが、制服姿の高校生を見かけます。
駅舎に掲げてあるポスター。ゲームのキャラクターかと思いきや、鬼北町にあるモニュメントだそうです。全国唯一「鬼」を地名に含んでいるのにちなんで、このようなキャラクターを生み出したのだとか。
■ 町おこし 鬼に金棒 巨大像「鬼王丸」2月披露 全長5メートル リアルさ前面 「怖すぎる姿」 集客に期待 鬼北町 | ホッとニュース | 愛媛新聞ONLINE
駅の中には、鉄道開通100周年の記念顔出しボードがありました。が、何も考えずに撮影したら、右上の子どもの顔のところが大変なことに(愕)
近永駅で並んだ列車。手前が次の宇和島行のようです。あと10分程はこんな感じで、線路は塞がったままですが、列車が少ないので困ることもありません。
線路に挟まれた細いホーム。最近はJRになってから導入された車両に合わせてホームをかさ上げする駅が出てきていますが、このホームは今も、列車に比べてかなり低くなっています。
宇和島方面。この駅で窪川行を待つことももちろんできますが、まだ朝早い分、お店も開いてないでしょうし、その間できることがやはりない。大人しく宇和島に引き返してから、窪川行に乗り通すことにします。
というわけで、宇和島に戻ってきました。木製のベンチは予土線の列車を一部かたどっているようで、中には鉄道ホビー列車、人呼んで予土線新幹線の車両もあります。
宇和島発窪川行は、海洋堂ホビー列車。宇和島まで戻ってきたのは、この列車で予土線を乗り通したかったのもあります。
海洋堂ホビー列車で河童の語りを聴きながら、高知県内に戻ってきました。昨夜見た地図では終着駅になっていた江川崎で、鉄道ホビー列車とすれ違います。この2両の列車が並ぶと乗客のテンションは上がるもので、列車を降りて撮影する人も出るほどです。
江川崎からは予土線なりに飛ばせる区間。列車は一気に走り切り、終点窪川まで到着しました。高知市内への普通列車が来るのはかなり後、窪川を出ても2時間近くかかりますが、既に何度も通った窪川駅、気分は帰り着いたも同然です。
窪川で昼食を買うべくスーパーに向かうと、こんなかかし一家に出くわしました。三世代のかかしだそうです。何が出てくるか分かったもんじゃありません。
無事昼食も調達できて、窪川駅に戻ると、高知行の普通列車がホームに入ってきました。あとはこの列車に乗ってしまうだけです。
というわけで、高千穂あまてらす鉄道こそ乗り損ねたものの、「宮崎県で宿泊記録を残す」という最大のミッションは達成して今回の旅は終了です。これで経県値&経県マップ、最後のピースが埋まりました。
赤とピンクだけの地図。これ以上ポイントを上げようと思えば、高知県外に引っ越すしかないのですが、それで職場に通えるわけがないので、まずは打ち止めと相成りました。
(2017・中九州冬の旅 了)
……なんですが、青春18きっぷ、あと2日分残ってるんですよね(ぼそ)