河戸帆待川から可部までは1キロもなく、電車は2分と経たずに可部駅に着きました。以前この駅に降り立ったのは、可部―三段峡間が廃止になる直前。13年半ぶりに訪れると、駅は大きく変わっていました。
まだ新しい線路の左側が空き地になっています。電車が可部止まりだったころは、こちらに行き止まり式のホームがあって、電車はそこから発着していました。
現在のホームは2本。奥のホームは延伸を機に新設されたもので、手前はかつて三段峡方面へのディーゼルカー用だったものが改装されています。
一方、かつての電車用ホームはお役ご免となり、線路も撤去済みです。以前は手前のホームから電車に乗り降りできたのですが、線路がなくなった今は、転落防止用に柵ができています。
可部駅を見守ってきた2本の木。誰もいなくなったホーム上に残されています。このホームが姿を消すとき、これらの木はどうなるのでしょうか。
以前は車止めがあった辺りに、辛うじて少しだけ線路が残っています。コンクリート上で撤去しにくかったのかも知れません。
立ち入りできなくなったホームの横に、何の標語か分からないポスターが掲げられています。壁は乗り越えるものとして、この柵を乗り越えるのはご法度のようです。
現在のホーム。以前は行き止まり式のホームが1,2番線で、手前が3番線だったのですが、ホームの新設と切り替えで、3番線が現在の1番線に改称、新設ホームが2番線となりました。
通ってきたばかりの延伸区間。昔あった駅構内の踏み切りは廃止され、2番線には跨線橋が架けられています。
時間が少し空いたので昼食。呉のB級グルメ、細焼うどんだそうです。
ベンチに座っていると、近くから女子高生たちの声が聞こえます。駅のホームで待ち合わせていたようですが、そのうちの1人がスマホを見ながら、「今日も5番鈴木やって!6番エルドレッドで……」と、発表になったばかりのデーゲームのスタメンを読み上げていました。流石は広島、キャピキャピで話す話題もカープ。妙に感心してしまったのでした。
そうする間に20分の時間は過ぎていて、向こうからあき亀山行の電車がやってきます。JR西日本中国地方名物、末期色、もとい、真黄色の国鉄近郊型電車です。
反対側からやってきた電車も黄色一色。まだ残る國鐵廣島の競演を見届け、広島へと進むことにしました。
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