後免から太平洋沿いに走ってきた土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の線路が果てるのが、この奈半利駅です。
改札を出るとすぐオープンデッキになっています。後免から走ってきた線路と鉄橋が目の前を通っています。
安芸同様、決して広いとは言えない奈半利駅の出入口。しかし、県都高知への出発点として大事なゲートです。
デッキから地上に降りてみました。先程のデッキには「津波避難ビル」の看板。奈半利駅は町の中心にあるとともに、海からもそう遠くないところにあります。
奈半利駅のキャラクター、なは りこちゃん。後免駅も駅員がキャラクターになっているので、ある種のコンビと言えなくはありません。
駅舎の1階は地場産品の商店となっています。その手前には、ごめん・なはり線のキャラクターが描かれた自動販売機が置かれていました。
側面にはキャラクターの写真も。手が込んでいます。
駅舎の近くに、漁師の駅というのがありました。おそらくは地元の魚を売っているのでしょうが、私が訪れた時は誰も見かけませんでした。
どことなく蔵を思わせる駅舎。安芸駅同様、大きなガラス張りではあるのですが、木目調と白壁の段になった壁面と凸状の屋根が、そう思わせるのでしょうか。
そしてその横には、コンクリートの高架橋の終点が顔をのぞかせています。いかにも、途中で途切れているという感じです。実際、当初の計画では、この路線は国鉄阿佐線としてこの先室戸を経て、国鉄海部駅へと繋がる、はずでした。
しかし、国鉄の経営悪化や人口減少等、時勢の変化とともに建設は凍結。ようやく建設が再開されたときは、後免から奈半利までの路線として認可が下りたのです。そして、奈半利からの先の延伸計画は実らないまま現在に至っています。東部では海部から甲浦までの路線が開通したものの、その間はぽっかりと空いたまま。この空白が埋まるのは、もはや夢と化した状態です。
奈半利から西を眺めれば、後免から四国各地、さらに全国へと線路が繋がっています。
反対側で断ち切られ、どこにも行く場のない線路。いかにもこの先に延びていきそうでありながら、現実にはその可能性があるとはとても思えません。
ただ、ファンの夢の中では、ここから先もレールは続いていきます。室戸から岬を回り、太平洋を今度は東側に眺めながら、甲浦、海部、徳島、そして日本中どこまでも。