
瀬戸内国際芸術祭2025夏会期が開会中。帰省のついでに、一部ですが観てみました。
今年はトリエンナーレ(3年に1度の祭典)、瀬戸内国際芸術祭の年。現在夏会期が開催中です(8月31日)。
私の母方の郷である小豆島でも、以前から芸術作品が展示されています。中でも島の東部、小豆島町福田の葺田八幡宮に置かれた「葺田パヴィリオン」は、10年以上を経てすっかり定着した観があります。
今回は福田の集落のさらに奥に展示が置かれたというので、観に行ってみることにしました。

……が、駐車スペースが分かりにくい!展示場所からさらに上がったところに入口があったのですが、看板を見えずに一度は通り過ぎてしまいました。
これがその入口なのですが、看板、分かります?車で運転しながら見つけないといけないんですよ。これは流石にどーかと思いました。実際、後から来た車もここを見つけられずにいましたし。

展示場所は2箇所で、ここから道路を下っていきます。展示の1つは駐車場所から見つかりました。金箔を貼った岩なのですが、分かります?

少し歩くと、県道から展示場への歩道が分かれています。

歩道を上いて、1つ目の展示場に着きました。はるかに福田の街並みと、港を出たばかりのフェリーが見えます。

イ・スーキュン(李秀京)氏による「そこにいた」。かつて石が持っていた神聖さを、韓国で仏像を作るために用いる金箔を貼ることで落とし込んだという作品です。

眼下に福田を望む金色の石。

今も石材生産が続いている小豆島。石は昔と変わらぬ大事な産物です。
一方で、いずこも同じ人口減少によって、にぎわいは島から少しずつ失われつつあります。ついさっき出ていったフェリーも、かつてならこの時期は臨時便があっても積み残しが出るほどでしたが、今では1日7往復、かつての閑散期より少なくなっています。

失われた神聖さを取り戻すということ。それは、神聖なものと尊ぶ人々の息吹が戻ってこそなのかも知れない。ふとそんなことを考えたりします。

展示があるのはもう1箇所、ここからさらに下ったところです。県道が付け替えられる前の旧道が残っていて、こちらを歩いてみます。車が来ないのでそれだけ安全かも知れませんし。

旧道を歩いて、2つめの展示場所に来ました。

看板は先程と同じ。ただスタンプラリーでもあるのか、こちらにはシャチハタが吊られています。

先程の四角錐状のものとはまた違った石。この形状にどのような意味があるかまでは分かりません。

東向きに開けた福田。金色の石が、真夏の午前の光を存分に浴びています。

この展示があるのは、現在の県道が旧道と交わるところ。ただ、旧道は山側が残っているものの、ここから下がどうなっていたのか、一見しただけでは分かりません。

気になって展示とは反対側を見てみると、かつてのガードレールの支柱が残っていました。

その先にはガードレールが残っています。

さらに遠くを見ると、現道が大きくカーブするところに、ガードレールで塞がれていますが砂利道が交わっているのが見つかりました。
おそらくこれらが、かつての県道の跡。以前は舗装されていたはずですが、何かの理由で剥がされたのでしょう。

駐車場に戻って、展示のある辺りを眺めてみましたが、木々に覆われ、見つけることができませんでした。

先程の展示場所、sd55地点から一気に山を登り、寒霞渓に来てみました。この辺りは小豆島でも標高が高く、猛暑日や熱中症警戒アラートが嘘のような涼しさです。
寒霞渓はsd54地点として、以前から展示が置かれていて、3年前の看板が今も立っています。

寒霞渓ロープウェイの駅の手前に案内板があるので、これを頼りに歩きます。

芝生を抜けて、ここからは山道です。

道なりに進んでいくと、分かれ道になっていました。どちらでも展示場所にはたどり着けるので、ここはショートカット。

林が少し開けたところに展示がありました。青木野枝作「空の玉」です。

作品鑑賞の注意書きが、芸術作品のそれっぽくはないのですが、こういうところが体験型アートの面目躍如かも知れません。

作品の向こうには瀬戸内海。中に入って一望することができます。

私も入ってみることにしました。

視界が開けた先に、小豆島の山並みや瀬戸内の島々が見えます。

眼下ではロープウェイがゆっくりと進んでいます。緑の季節、紅葉の季節にも目立つピンクの塗装です。
せっかくなので、空の玉の中で360度、ぐるりと回って動画を撮ってみました。本当に回っただけですが(汗

ずっと涼しい寒霞渓にいたかったのですがそういうわけにもいかず、福田小学校跡まで下りてきました。ここは以前「福武ハウス」となっていましたが、今回は「瀬戸内アジアギャラリー」、アジア各国の芸術作品やアーティストが集まる拠点となっています。

展示はかつての小学校校舎と体育館にあるのですが、今回は体育館に入ってみました。ここでは2016年に女木島(高松市)西浦集落で展示された「西浦の塔(OKタワー)」が「移設」されています。
2016年当時の「OKタワー」はこちらでご覧になれます。

今回の「OKタワー」の解説。縮小していく漁村とタイのアーティストの協働によって生まれた作品が、過疎化の象徴たる廃校で展開されています。
タイでも過疎化がが進んでいると言われる中、作品に込められた物語は、同国北部出身の作者にとって「自分たちの物語」なのかも知れません。

今回は体育館の中で映像作品も上映されていて、その解説がありました。作者自身が主人公となる幻想的な物語ですが、これによれば「ミュージックビデオ」とのこと。

体育館内にはタイの三輪タクシー「サムロー」が置かれています。

これはお祭りで飾る船か何かでしょうか。タイ語をまるで知らないので分かりません。

タイと言えばトゥクトゥク。座席の奇抜なカラーリングが目を惹きます。試しに乗ってみましたが、ただでさえ難しいマニュアル車でシフトレバーが足の間、よくもまぁ操れる人がごまんといるものだと思います。

OKタワーの断章とトゥクトゥク。瀬戸内の漁村とアジアの現代アート、アーティストとの邂逅。これが9年も前の話になったのかと思うと驚きです。

いかにも現世紀アジアなプラ製の座席。会期中にオープンしている福田アジア食堂用のものです。

瀬戸内国際芸術祭2025、夏会期は8月31日まで。その後は10月3日~11月9日が秋会期です。ただ作品によっては会期以外にもずっと展示されているものもあるので、あえて時期を外してみる手もあるかも知れません。その他詳細は公式サイトをどうぞ。
とくに小豆島会場については、こちらのリンク先を。