悲願のJリーグ入りに向けて、入場者数に加えて入場料収入の基準も課せられている高知ユナイテッドSC。双方をクリアするための「ノルマ」がどうなるのか、計算してみました。
0. 【2024年8月8日追記】今後は修正版をご覧ください
8月8日にクラブ公式サイトから入場料収入の訂正がありました。これを基に修正版を作成しましたので、下記リンク先からご覧ください。
以後の文章は訂正前の情報に基づくものです。ご注意ください。
1. はじめに
昨日の高知新聞で、こんな報道が出ていました。
JFLで首位をキープし続けることで、民官財で支援の動きが出てきています。やはり成績というのは分かりやすい誘因になるのだなぁと。
ただし、Jリーグ入りには成績に加えていくつか条件があります。中でも再三報じられているのが入場者数の要件で、平均2000人が最低条件。JFLのホームゲーム15試合でクリアするには、残り6試合で20070人の動員が必須です。
ですが、それに加えて無視できないのが、入場料収入の条件です。こちらは1000万円で設定されていて、上記報道によれば、残り672万円を集める必要があります。
そしてこの残り金額、その裏返しで今までの入場料収入が、サーポーターの懸念材料になっているようです。確かに、後で見るように、これまでの1人当たり入場料収入を考えると、不安になるのは自然な話です。入場料収入を得るのが条件なので、募金やクラウドファンディングで何とかなるものでもありませんし。
なので楽観視すべきではないのは確かですが、入場者数さえ集められれば条件クリアは十分可能というのが私の判断です。なぜそうなるのかを示すために、これから残り試合で必要な1人当たり入場料収入の「ノルマ」の算出とその結果を見ていただきたいと思います。
2. 現状を再確認する
まずは、主催試合9試合を終えての入場者数及び入場料収入、さらに客単価(1人当たり入場料収入)の現状を確認しておきましょう。
先程の報道を基に、現在までの入場者数と入場料収入を計算すると、入場者数は9,930人、入場料収入は328万円となります。それぞれ、条件となる30,000人-残り必要な20,070人、条件1,000万円-残り必要な672万円で算出できます。
そして、入場料収入を入場者数で割れば1人当たり入場料収入が算出できて、328万円÷9930人=330.31円/人となります。
入場料金に比べてあまりに低いと驚かれた方も多いことでしょう。公開データがないので*1推測ですが、入場料が安い、あるいは無料となる子どもが入場者全体に占めるシェアが大きいことがまず考えられます*2。とりわけ、ドリームパスポート導入によって小学生の来場が増えた割に、中高生や一般の来場が増えていないことも推察されます。
ただ仮にそうだとしても、将来の顧客への先行投資を考えれば、ドリームパスポートを止めるのはあり得ない。むしろ子どもたちにどうやって保護者や家族を連れてきてもらえるかを考えるのが大事です。そしてセントラルグループさん本当にありがとうございます。
とはいえ、客単価が足りないのは否定できません。入場者数と入場料収入の条件から求められる客単価の目安は333.33...円となり、僅かながらこの水準に達していないためです。
では、残り試合で何が必要なのか?次にみていきましょう。
3. 残り試合で達成必須の条件
残り試合で絶対に必要な入場者数と入場料収入は既に見た通りです。改めて確認しておくと、残り主催試合6試合で入場者数20,070人、入場料収入672万円が必要です。
ここから1試合当たりの数値を計算すると、入場者数3,345人、入場料収入112万円となります。決して楽観視できないのは確かです。
一方の客単価ですが、必要な入場者数を必要な入場料収入で割って、334.83円/人。現状が330.31円/人でしたから、入場者数が30,000人ぴったりだと仮定すると、単純計算だと1人当たり4.52円増やさなければならないことになります。
ですが、これは今後一般客の来場を増やすことで解決可能なはずです。入場料は当日券なら1,000円、前売りや龍馬パスポートの割引があっても800円ですからね。
4. 客単価が変わらないとすると……
ただし、客単価が変わらなかった場合も想定しておきましょう。つまり、客単価がこれ以上上がらないとして、1,000万円の条件到達に必要な入場者数が何人になるのかを計算するのです。
これは残り獲得必要な入場料672万円を客単価で割ればいいので、計算結果は20344.39...円。端数は当然切り上げですから、1人当たり入場料収入が現状維持の場合、20345人の入場者数が必要になる、という計算結果になります。平均入場者数2000人達成に必要な20070人に275人追加できれば達成可能という計算です。と考えると、決して無理なノルマとは言えないでしょう。ってかさかわの定員を増やすだけでOKなんですが、どうでしょう?
5. まとめ
以上いろいろ見てきました。ここから、客単価を上げるにしても、入場者数を増やすにしても、入場料収入の条件クリアが入場者数のものと比べて特に困難なものではないことがお分かりいただけたのではないかと思います。
ただそれもこれも、一般の入場者数を大幅に増やすことが絶対条件です。まずは下記中断明けの8月31日(土)18時、春野陸上競技場でのヴェルスパ大分戦でどこまで入場者数を集められるかが注目されます。
というかホント皆さん来てください(伏