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地域系学部というのに加わった大学教員による高知発モンゴル発のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

拙稿収録『遠隔で作る人文社会科学知』が刊行されました

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 大嶋えり子・小泉勇人・茂木謙之介編著『遠隔でつくる人文社会学知―2020年度前期の授業実践報告―』が刊行。拙稿も収録されています。本書は電子版(PDF)にて無料で刊行、合わせてオンライン研究会も開催予定です。

 

 

 COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の拡大によって日本中のほとんどの学校が閉鎖され、オンラインでの授業継続を余儀なくされた今年2020年。大学もご存知の通り、今年度前期(2学期制第1学期)の大多数の授業がオンライン開講となりました。

 

 そんな中、オンラインでの授業実践報告をまとめた著書『遠隔でつくる人文社会学知―2020年度前期の授業実践報告―』がこのほど公刊されました。

 

 

 本書には大学での語学・人文科学・社会科学に関する授業について、担当教員による実践報告を100件以上収録。電子版(PDF形式)による公刊で、下記リンク先から無料で読むことができます。

 

sites.google.com

 

 本書には当方も執筆させていただきました。2020年度の地域協働学部1年生向け必修授業「社会調査論」の実践報告につき、第148ページに原稿を記載していただいております。

 ここで少しご説明させていただきたい。本書への執筆に際しては、実習授業を取り上げるのが良いのではとも考えました。高知大学地域協働学部の教員として、授業実践について執筆する以上、学部教育の柱であり、かつ受験生・一般社会の関心が比較的高いところを紹介すべきではないかとの考えです。

 しかしいくつかの理由から、むしろここで実習授業について書くのはかえって不適切との判断に至りました。

 最大の理由は、実習授業は学部が定めたプログラムや、各授業の主任教員の組織の基で、複数の教員がさまざまな実習地で展開するものであるためです。一方で、今回の執筆で可能なのは、自らの授業実践を示すことのみです。

 だとすれば、主任でもない一教員が、プログラムに関する説明もせずに(十分な説明は紙幅の都合上不可能)、自らの授業実践を提示することで、それが地域協働学部の実習授業全般について述べたものであるとの誤った認識を与える危険が高いのです。これは学部にとっても私にとっても、本意ではありません。

 加えて、実習での担当学生が7名と少ないため、数値化した授業評価を示すことに意味がないこと(3, 40名いれば話は別ですが、そんな実習はムリ)、授業形態が特殊なために経験を一般化するのが難しいこと等々、理由は他にも挙げられます。

 逆に、社会調査論を取り上げる積極的な理由もあります。この科目名・内容の授業は、社会学系の課程がある大学なら、おそらくどこにでも置かれていることでしょう。それだけに、この授業であれば、より広範な人々に対して、実践について共有可能なものと期待されます。

 さらに、先も述べましたが、こと実習が前面に出がちな(悪いことではないのですが)地域協働学部です。それだけに、キャンパス内での学び、いわゆる「座学」の実情の一端を知っていただくことは、弊学部へのご理解を増す上で価値があると思われます。

 付け加えるなら、学期終了時に学生から授業評価についてたずねていて、こちらは回答者数(63名)からも公開に足る水準のものと考えたのも、この科目を取り上げた理由のひとつです。

 とはいえ、実習授業の実践について報告する意味がないとは思っていません。だからこそ当ブログでも毎月学外での実習について書いているわけです(今月のは遅れていますが……)。

 ですので、上記の問題を可能な限りクリアした形で、オンラインでの実習授業実践について、いずれ公開できればと思っているところです。

 

 

 後期も全国の大学で、少なからぬ授業がオンラインでの開講となっています。いや、これを契機に、対面・教室での授業が不要な授業の選別は進んでいくでしょう。

 そして余程の破壊的な事態でもない限り、この流れが戻ることは考えられません。賽は投げられたのです。

 それだけに、本書はこれからの大学の授業がどうなっていくのかを考えるための、貴重な資料になります。その点で、本書は今後もオンラインでの授業を継続する大学教員はもちろん、大学受験を考えている皆さん、あるいは保護者・保証人の皆さんにも、参考になるのではと思います。

 また本書に関しましては、一般公開でのオンライン研究会が31日(土)に開催される予定です。下記にご案内のリンク先を示しましたので、ぜひご覧ください。

 

aspos.web.fc2.com