今日6月2日は、モンゴルの国会「国家大会議」の2020年総選挙の選挙活動開始日です。選挙管理組織の中央機関「選挙中央委員会」が606名の立候補者に証明書を交付、24日までの長い選挙戦が始まりました。
モンゴルの国政選挙では、まず各政党が単独で参加するか、複数政党による「同盟」を結成するかを届け出ます。その上で、政党単独の公認候補、「同盟」による統一名簿に記載された候補者に加え、無所属での候補者が立候補し、76議席を争います。
今回の総選挙では、単独参加の政党が13、結成された同盟が4で、それらから合わせて485名の立候補が認められました。また、無所属では121名の立候補が認められており、これは前回の69名を大きく上回ります。
候補者の一覧は、全国の選挙管理事務を統率する選挙中央委員会が公開しています(ただしつながりにくいかも)。
また、ニュースサイトikon.mnは特設ページを開設、詳しいリストを作成しています(私も参考にさせてもらっています)。
とはいえ、モンゴル語なので分からない方も多いはずです。なので、ここでは簡単に各政党・同盟の候補者数一覧を下に示します。ただし、主要政党以外の名称だと日本語訳がない場合も結構あるので、あくまで私が個人的に決めた訳を使っています。
以下、政党・同盟の名称(同盟の場合は参加政党)・候補者数・2020年6月2日時点での現有議席数の順で示していきます。ただし、同時点で議席のうち3つが欠員です。
- モンゴル人民党:76名、現有62議席
- 民主党:76名、現有9議席
- モンゴル緑の党:15名
- あなたと私の同盟(モンゴル人民革命党、市民の意志・緑の党、モンゴル伝統統一党):74名
- 新同盟(正義市民統一同盟党、共和党、真正党、モンゴル民族民主党):72名、現有2議席
- 正しい人・有権者同盟(労働国民党、モンゴル社会民主党、倫理党)53名
- 人民大衆党:1名
- 自由行使者党:13名
- 開発計画党:7名
- 愛国者統一党:1名
- 「遵守せよ!憲法19」同盟(モンゴル保守党、モンゴル人間のための党):34名*1
- 人民を愛そう党:1名
- 大衆党:39名
- 世界モンゴル人党:3名
- 人民大衆多数派統治党:24名
- 大調和党:1名
- ゲル地区開発党:4名*2
これらの政党・同盟からの候補者に、無所属の121名が加わります。
ただし、「あなたと私の同盟」に関しては人民革命党党首エンフバヤル元大統領の立候補が選挙法の規定で認められませんでした。
さらに、無所属のノムトイバヤル前国会議員が逮捕、選挙期間中の拘束が認められるとの話も入ってきました。
ノムトイバヤル前国会議員はもともと人民党所属でしたが、党首のフレルスフ首相との対立と汚職疑惑(本人は否定)の末に議員辞職。今回の総選挙に無所属で立候補して再起を図ろうとしていた矢先のことです。
↑モンゴルの報道。代理で父親が立候補者の証明書を受け取り、選挙活動実施を宣言。
エンフバヤル元大統領に関しては、これまでも公民権停止中に立候補を届け出ては押し返されてきたので、特に驚きはありません。ただしノムトイバヤル前国会議員については釈放されるという話も出ていた中でのことですし、いささかキナ臭い感がないでもありません。
次回からは、主要政党・同盟・無所属候補についてご紹介していければと思います。
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