「土佐のおきゃく」終盤の恒例行事となりつつある、高知ファイティングドッグスと大学・社会人野球との交流戦。今回は初日にドッグスと大学野球部の2試合が行われます。まずは第1試合、高知大学硬式野球部が登場します。
今年のファイティングドッグスはメンバーの大半が入れ替わりました。そんな中、ドラフトで本学出身の道原投手が指名されて入団、本日予告先発です。試合前には冒頭写真のように、前野球部監督への花束贈呈がありました。
本日のスタメンです。ファイティングドッグスで在籍3年目以上の選手は藤原銀ぐらい。一方の本学野球部、恥ずかしながら球場で観戦するのは今回が初めてかも知れません(汗)
このオフの間に高知球場のフェンスが新しくなったようです。中央から右側のフェンスが新しいもので、かなり高くなっています。鋭いファウルボールがスタンドに入る可能性は下がりましたが、撮影する方からすれば、フェンスが多いとその分ピント合わせが難しくなるわけで、今シーズンからは苦労が増えることになります……
さて、先発としてマウンドに上がった道原。1回、2回と古巣を難なく抑えます。
一方、高知大学の先発は左腕松藤。こちらは対称的に2イニングとも先頭打者を出す苦しい内容です。
初回こそ無失点で切り抜けた松藤でしたが、2回には先頭のサロモンを歩かせ、続く宇佐川に2塁打を打たれて無死2, 3塁のピンチを招きます。ちなみに、写真がサロモンですが、公式な入団発表が試合の前日、ユニホームも間に合っておらず、国仲に借りていました。
松藤は続く松田をショートゴロに仕留めて走者を釘付けにしましたが、続く洸佑を歩かせて満塁とします。この厳しい場面で、松藤は直後の濱を初球でセカンドゴロに打ち取ります。注文通り、といきたいところでしたが、ファーストへの送球が間に合わずに1点を失います。逆にファイティングドッグスはここから畳みかけたいところでしたが、ここで濱がけん制に引っ掛かります。この間に3塁走者が還って1点を追加しますが、濱自身は結局刺されてしまい、この回は2点止まりです。
この日は高知大学地域協働学部から高知ファイティングドッグスで実習を行っているメンバーが試合をプロデュース。イニング間には学生よさこいチーム「叢雲」「粋恋」の演舞があります。こちらは「叢雲」の演舞です。
が、やはりピントが合わせにくい……というか、私がデジカメの機能をよく分かってないだけな気もしますが←何年使ってんだよ
で、試合に戻って3回表、ここで高知大学が一気の攻めに転じます。1死から上田がライト前に運んで出塁すると、大石がバントで自らもセーフになり1, 2塁。ここで打順がトップに返り、柘植の放った打球はサードへの平凡なゴロ、のはずでしたが、サード若原の動きが緩慢で間に合いません。抜けた打球がレフト線を転々とする間に走者2人が還り、高知大学が同点に追いつきます。
この直後に捕逸気味の冒頭で柘植が三進すると、続く近藤の当たりはファーストサロモンの正面。ここでサロモンはホームを狙った柘植を刺しに行きますが、送球の動作がまるで遅く、柘植をあっさり生還させるフィルダーズ・チョイス。高知大学が逆転に成功した一方、先程の若原のプレーがエラー扱いとなったこともあり、道原は自責ゼロで3失点。プロの厳しさをいきなり味方から教わることになってしまいました。
その裏、高知大学は2番手に上ノ薗を送り込みます。本学期待の本格派右腕との評をかねて聞いていただけに、はたしてどれほどのものかが非常に気になります。はたしてこのイニングは四球を2つ出してしまいましたが、自らの好フィールディングとバックの好守に助けられ、無失点で切り抜けます。
というファイティングドッグスにとってはしょっぱい展開の中ではありますが、ドッキーがスタンドを歩き回ります。
今度は「粋恋」が登場。学生は(ココ重要)春休みの期間、他県出身者も少なくないだろうに、結構な人数が残って活動しているんですよね。
さらにチアダンスの時間もありました。本職(?)もいるので、動きはなかなかのものです。
さて、上ノ薗は続く5回も先頭の洸佑を歩かせると、濱にライト前に運ばれ、さらにエラーもあって無死2, 3塁。ここで藤原銀が犠牲フライを放ち、ファイティングドッグスが同点とします。
しかし、上ノ薗は直後に1塁走者の濱を牽制で誘い出して挟殺。さらに後続も絶って最少失点で抑えました。濱がドン臭いだけな気もしますが、それでも独立リーグを相手に、失点直後で落ち着いた上ノ薗の対応には評価が上がります。
そんなわけで、3-3のタイスコアで5回終了。グランド整備の合間に、学生チームがホームベース付近に集結。ファイティングドッグスへのエール交換です。個人的な話ですが、異なるよさこいチームがまとまる場面を見た記憶がなかったりするので、そういう点でも貴重な機会だったりします。こういう企画ができてしまったのは、地域「協働」学部の真骨頂と言う気もします。
後半戦、ファイティングドッグスは負けの消えた道原に代えて高橋を送ります。その高橋が高知大学を三者凡退に抑えると、上ノ薗は1死から走者を出したものの、盗塁失敗もあって結果3人で抑えます。
ラッキーセブン、普通ならジェット風船飛ばしはファイティングドッグスの攻撃だけですが、今回は表の攻撃でも行います。これはこれで楽しいのですが、裏の攻撃までにまた風船を配らないといけないんですよね。
それでも何とか風船は配れて、7回裏です。後で話を聞いたら、試合中に衣装を着て踊ったりスタンドで普通に観戦したり、それ以外にも出番があって、グランドとスタンドを行ったり来たりが大変そうでした。
さて、試合は同点のまま8回へ。ファイティングドッグスは3番手に三浦を起用、三浦は2死から走者を背負いましたが失点は許しません。
一方の高知大学は上ノ薗が6イニング目に挑みます。ただ、流石に疲れも出てくるころではないかと思いきや、はたしてここでファイティングドッグスが一気に攻め立てます。先頭の濱がエラーで出塁すると藤原銀がヒットで続き、高井のタイムリーでついに勝ち越しに成功。
さらに若原の2塁打で2点を加えます。
そして6回からサロモンに代わった安田にもタイムリーが出て、ファイティングドッグスがようやく高知大学を突き放しました。
この日はダブルヘッダーで、2時間半を超えて新たなイニングには入らないとのアナウンスがありました。第1試合の開始は10時半頃、既に8回を終えて13時になっているので、ここで打ち切りそうなものですが、結局試合は続行、9回表を迎えます。マウンドには宮川が上がりました。
宮川は下位からの高知大学打線を3人で抑えて試合終了。ファイティングドッグスが終盤に力を見せた形になりました。
ですが、試合内容を見れば、今季のファイティングドックスは相当苦戦しそうに思えました。選手ががらりと入れ替わったのは分かるのですが、若原やサロモンのボーンヘッド等、チーム作り以前の問題が目につきます。はたして開幕までにチームとして戦えるレベルになるのか、率直なところ疑問です。
反面、注目していた高知大学の上ノ薗に対しては好印象です。四球が多かったのは確かですが、明らかな抜け球が多いのではなく、コースを狙ったのが僅かに外れたのが目立ったわけで、これは修正可能でしょう。終盤の4失点も、本来ならその前に交代されていたでしょうし、さほど気にはしていません。
むしろ評価が上がるのが、守備でアウトを取ることへの意識が感じられたところです。投手が投球に細心の注意を払うのは当たり前ですが、投球が手を離れた瞬間から、投手は野手になるわけです。とりわけ走者を背負った時ならば、打者を抑えるだけが失点を抑える術ではありません。そういう点で、フィールディングと牽制でアウトを取れるところが見られたのは良かったです。
という感じも含め、完全に素人の感想ではありますが、育成方針次第でどうとでも化けそうな投手、という印象を覚えました。できればドラフト下位、あるいは育成指名で、3年計画ぐらいで伸ばしていくと面白そうです。
続いて第2試合なのですが、その前に残念なお知らせです。2日目の高知ファイティングドッグス対四国銀行戦なのですが、雨天とグランド不良で中止が決まってしまいました……
いろいろ楽しみにしていたので、本当に残念なのですが、願わくば今回予定されていたの企画が、別の日に活きてほしいものです。