2学期が始まり、高知大学地域協働学部の1年生実習科目「地域理解実習」がスタートしました。私が担当する佐賀北部班では、初回の現地実習として、集落活動センター佐賀北部食部会の「土佐さがのもどりガツオ祭」への出店に参加しました。
集落活動センター佐賀北部には楮、柚子、食の3つの部会があり、食部会では「さが谷三里マーケット」と銘打ち、地場産品を生かしたお総菜やごはん、お餅などを作って販売しています。旧佐賀町(現黒潮町)の中心街で行われる土佐さがのもどりガツオ祭には以前から出店していて、今回はそのような活動について実地で知ることを目的に、出店にお邪魔させていただいた次第です。
とはいえ、学生・教員が全員一斉に出店に入る必要はなく、2-3名が交代で入れば十分なので、空き時間は他のお店やイベント等を観察していきます。個人的には、地域活性化とか地域課題とかを考える以前に、いわゆる参与観察的なトレーニングを少しでも積んでおくことが大事だと捉えていたりします。
というわけで会場を歩いてみて、まず見つけたのがこちらの漁船黒潮丸。黒潮一番館前の広場では目印になるもので、イベントでも使われています。
青空にはためく大漁旗。天気に恵まれたのは良かったとして、気温がぐんぐん上がります。朝はウインドブレーカーを着ても寒いぐらいだったのに、気が付けば半袖がちょうどぐらいの陽気になってしまいました。
開会を告げるのは式三番(舟唄)。遠洋に出るカツオ船の無事を祈念する謡とのことです。
祭りが本格的にスタートし、イベントも相次いで開催されます。こちらは高知ファイティングドッグスの選手による餅つきです。
この日は若原と田久見が参加。餅つきがイベントの合間には、チームの出店で物販にも励んでいます。この時期、県内各地でイベントがあって、宮﨑でのフェニックスリーグに帯同しないファイティングドッグスの選手も結構忙しそうです。
海沿いのパネルは、高知カツオ県民会議によるものです。カツオ資源や食文化の継承と啓発・情報発信を旨とする活動を行っていて、この日はペイントシールによるPRにやって来ています。
これがシールです。土佐弁をご存知ない方、カツオのすき焼きじゃないですからね。本来は顔に貼るものだそうですが、大学に戻ってから帰り道を考えると流石に腰が引けたので、こんなぐらいで。
ともあれ、まずは集まった大量のカツオ、感謝して頂かないといけません。黒潮一番館には一本釣り漁の一通りの流れも大きく掲げられています。高知に来てしゅういちはカツオを食べないと気が済まなくなってしまっただけに、漁師さんにも頭が下がります。
大量のカツオが、次から次へと藁で焼かれていきます。カツオはもちろんですが、大漁にカツオを焼くだけの藁を確保するのも簡単ではないはずです。そのためにも、田んぼの耕作放棄が増えるのは食い止めなければなりません。
適度に炙ったカツオは、すぐに氷水で締め、頃合いを見計らっては取り出して切っていき、たたきが次々とできていきます。
少しだけ並んで、たたきにありつけました。実は担当する某授業でたたきをタレで食べるか塩で食べるかという話題を出したところなのですが、こちらはタレの味も塩の味もしました。そしてカツオ自体の脂の乗り、味の良さは言うに及ばずです。
さが谷三里マーケットの裏では、さんちょく(土佐佐賀産直出荷組合)のブースが出ています。こちらは高知大学地域協働学部1期生の実習地の一つで、昨年度までに学生との協働による商品開発や販路開拓に取り組まれてきました。今も学生との交流があり、今回も販売のお手伝いで1期生が来ています。
商品はいわしやきびなごの加工品。魚醬やペースト等が並んでいます。
この日はお祭なので、さんちょくのブースでは料理も出ています。こちらはきびなごレモンソースを使った塩焼きそば。レモン風味が程よく効いています。
黒潮一番館は海のそば。今日の波は穏やかです。すぐ近くに漁港があって、土佐のカツオ船の一大拠点となっています。
この日はシーカヤックの体験イベントが行われています。カヤックやカヌー、憧れはするんですけど、倒れてから自力で起き上がるのができなさそうで敬遠しています……
黒潮一番館に戻ってきました。今日はイベントのためお休みですが、普段はこちらがレストランになっています。
最近の観光地では必須となりつつあるWifi、黒潮一番館でも利用可能です。
それにしても、wifiのカタカナ書きは今まで見たことがなかった気がするのですが、考えてみれば"wifi"というラテン文字の列だけ見てみんながみんな正しく発音できるとは限りませんし、どこかでこういう表記は必要だったのかも知れません。
会場やイベントを一通り見つつ、さが谷三里マーケットのお手伝いにも二度ほど入らせていただいて、主だった商品は無事完売。締めくくりの餅投げになりました。餅投げは主催者の方々に加え、若原と田久見も加わっています。
コンテナに詰まれた餅とお菓子が次々と投げられます。若原と田久見は流石の遠投力とスピードの速さ。受け取るのは至難の業です。それでも何とか集めましたが、どちらかの投げた餅が頭に当たった時は流石に痛かったです(苦笑)そりゃま、硬球が当たるのとはまるでわけが違うでしょうが……