栗山町から野幌、札幌に向かう道との三叉路を過ぎ、さらに道道38号線を歩きます。夕張駅まで3キロの標示、よほどの急坂でなければ問題にはなりません。
鹿ノ谷駅の手前で、JRの踏切を見かけました。
道道38号線は、夕張に向かうJRの線路とほとんど並んでいます。あと少しの間だけ、1日10本、列車が並走する風景が見られます。
北海道の厳しい冬は、アスファルトにとっては天敵です。車道こそ十分な補修がなされていますが、歩道は波打ち、ヒビも幾重にも入っています。草刈りも追いつかず、歩道端はおろか、歩道と車道の間にも高い草が堂々と生えています。高知の雑草ほどの猛烈な勢いこそなかれ、弱まってきた人間の営みを、いずれ覆いかねない恐れは感じます。
道端には道路の通称名を示す旧式の案内標識が立っています。ただ、よく見ると標識も支柱も曲がったまま、直されるでもなくそのまま置かれています。
道道から分かれた広い、しかし短い道路の先にある青い屋根の建物。一見すれば作業場か倉庫のようですが、JRの鹿ノ谷駅です。
鹿ノ谷駅は終点夕張の1つ手前、夕鉄本社バスターミナルからは最も近い駅になります。ここで夕張行の列車に乗り込む手もあるのですが、それだと夕張駅での滞在時間が数分だけになってしまうので、もう1駅歩くことにしています。
草木の間からJRの鉄橋が見えます。ただよく見てみると、今の鉄橋のほかに、レンガ造りの橋脚の跡が残っています。かつてはこちらに、なのか、こちらにも、なのかは調べられていないのですが、鉄道が走っていたのです。
さらに歩いたところで、ふと足元のマンホールに目が留まりました。「バリバリゆうばり」とはこのキャラクターの名前かと思ったのですが、どうもなんか違う。調べたら、こんなのが出てきました。
すごい(小並感)
いかにも時代を感じるCMですが、こうも派手にCMを打っている時代があったんですね。道外の人間からすれば、財政破綻後のイメージが強い夕張ですが、道内の方からすれば、昔の栄華のイメージがそれはそれは強いのかも知れません。この辺、「あの頃の夕張」をよく知る方に詳しいお話を聞きたいものです。
【追記】その後頂いた情報で、マンホールのキャラクターの名前が「シネガー」と分かりました(ありがとうございます!)。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のキャラクターだそうです。
とかのんびり見ていると、ちょっと時間が押してきました。速足で歩いていって、ついに夕張駅のホームが見えてきました。
駅の改札はもう少し先。信号の向こうに駅前広場が少し見えてきました。
ゆうばり駅前の案内標識。間違いなく駅までたどり着けそうです。
駅前に来ました。ホームの隣には屋台村があります。記念に一杯、とも思ったのですが、もう少し周辺を歩いてみたいので、ここは我慢です。
夕張駅到着。三角屋根の小さな駅舎は、一応駅であることを示していますが、それよりはるかに大きく、観光案内センターの案内が出ています。
そして、その奥には巨大なリゾートホテル。以前来た時にも、この規模の大きさに呆然としたのですが、二度目に見てもやはり大きいです。よくこんなものを建てたものだ、とは思うのですが、それは今を知るものの後知恵でしかありません。何はともあれ、今も普通に営業中のようで、まだ良かったなぁというぐらいが妥当な感想なのでしょう。
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