3710920269

「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

2017・中九州冬の旅(7)中松から高森へ

f:id:minato920:20180110073005j:plain

 

 高森からの列車は10分あまりで現在の折り返し駅となる中松に着きました。現在南阿蘇鉄道の列車は1日3往復しかないので、発車までの数分間を駅で過ごした後、そのまま引き返します。

 

 

f:id:minato920:20180110073008j:plain

 

 年末も押し詰まった時期ですが、駅の入口にはまだクリスマスの飾りが残っています。

 

f:id:minato920:20180110073006j:plain

 

 相対するライオンのレリーフ。ただし何の紋章なのかは分かりません。

 

f:id:minato920:20180110073010j:plain

 

 駅にはカフェが併設されています。模型やフィギュアを集めたところのようです。その手前にはクリスマスツリー。クリスマスが終わってもすぐには飾りを片付けないのは、これから主流になるのでしょうか。

 

f:id:minato920:20180110073009j:plain

 

 ホームへの出口には、臨時の時刻表と不通区間に×印がついた運賃表が掲げられています。南阿蘇鉄道といえばトロッコ列車が有名で、熊本地震後も運転を再開しているのですが、流石に季節が季節なので、春になるまではお休み中です。

 

f:id:minato920:20180110073011j:plain

 

 そろそろ時間なのでホームに出ます。高森方面を見ると、信号機は板で×がつけられています。現在は列車一本がピストン輸送状態で、中松での行き違いもないので、信号は使われていないようです。

 

f:id:minato920:20180110073012j:plain

 

 乗車前に、車両に掲げられていたエンブレムを撮影。

 

f:id:minato920:20180110073013j:plain

 

 こういうエンブレムもありました。Minami Aso Railwayの頭文字を図章化したようです。

 さて、乗り込んだところで列車は発車。復路も乗客は私一人だけです。往復でルートが同じなので、帰りは観光案内がないかと思いきや、こちらはこちらで別の内容のアナウンスが続きます。というわけで相変わらずどうしていいか分からず、とりあえず車内を左右に行ったり来たりの繰り返しになります。

 

f:id:minato920:20180110073014j:plain

 

 鉄道の近くに建物とロータリーが見えます。駅前広場のようですが、実は駅はありません。実は新駅を作るべく準備していたところ、地震の被害でそれどころではなくなってしまったとの話です。開設作業を再開するにしても、まずは不通区間を何とかしてからなのです。

 

f:id:minato920:20180110073015j:plain

 

 再び明神池のほとりを通過。池の中に河童の人形があるようですが、残念ながら撮影できませんでした。

 

f:id:minato920:20180110073016j:plain

 

 こちらはため池か何かでしょうが、ふと見ると表面が凍っていました。九州と言えば温暖な気候を予想されるでしょうが、ここから宮崎県に行けばスキー場だってあるところです。ちなみに、高森手前で見かけた温度計は0℃を示していました。

 

f:id:minato920:20180110073017j:plain

 

 列車は再び白川を越えていきます。といってもこの辺では本当に小さな川で、絶景第一白川鉄橋の損害と不通が惜しまれます。

 

f:id:minato920:20180110073028j:plain

 

 高森の手前、見晴台駅に列車が着きました。ここで運転士さんがいったん降りて、自動販売機を見に行きました。何せCMで有名になったもんで、紅茶の売れ行きが良いらしく、売り切れになっていないか確認しにいったのです。CMに触発されて遠くから駅まで来た人に対して、紅茶が売り切れです、というのは避けたいわけで、こうしてブームは支えられているのです。

 運転士さんが戻ってきました。どうだったか尋ねてみたところ、まだ紅茶は残っていたとのこと。まだ朝のこの時間ですからね、と言って、この間ずっと観光案内を語っていた運転士さんに対し、私がようやく言葉をかけたことになりました。あ、その前に中松駅で発車時間を尋ねてましたが、こちらは単なる事務的なやり取りで、何か違う気がします。

 

f:id:minato920:20180110073019j:plain

 

 列車は終点の高森に近づきました。場内信号機も使用できなくなっていて、運転士さんは無線で駅構内への進入を通告します。

 

f:id:minato920:20180110073004j:plain

 

 そして列車は高森駅に到着。往復40分弱の小さな旅でした。

 それにしても、他の鉄道路線との連絡を絶たれ、ただでさえ少ないであろう乗客がさらに減った中で、それでもこうして観光客向けの案内をマメに行っていることには敬意を表したくなる一方、今回は私一人とは言え乗客がいたものの、乗客ゼロだったとしても観光案内をやらなきゃならんのかどうかと考えると、正直辛いです。いたたまれない思いがします。何とか鉄路を守っている人がいるところ、あまり寂しい状況は想像したくありません。

 というわけで、ご用とお急ぎでない方、ぜひわざわざ高森まで行って南阿蘇鉄道に乗ってみましょう。乗り鉄の勝手なお願いです。