高知城のそばにある高知県立文学館で、特別企画「没後20年 司馬遼太郎展」が開催中です。
数々の歴史小説の大作や、四半世紀にわたるシリーズ紀行文『街道をゆく』で知られる氏は大阪外国語学校蒙古語の出身、つまり私の学部の大先輩でもあります。もっとも、私が学部に在籍中に亡くなられたこともあり、残念ながら直接お会いする機会はなかったのですが。
ともあれ、その司馬さん(というと馴れ馴れしい感じですが、私が経験したモンゴル語科の空気からすれば、こういう呼び方がしっくりくるのです)の企画展示があるとなれば、行かなかったら罰が当たるレベルの話なのですが、ようやく昨日訪れることができました。
文学館正面。入口のガラスにもイラストを描くほどの気合の入れようです。高知は司馬さんに縁深い場所で、言わずと知れた『竜馬がゆく』をはじめ、高知や出身人物を題材とした小説に加え、『街道をゆく』でももちろん高知を訪れています。
展示については、流石に撮影してお見せするわけにはいきませんので、ぜひ実物をご覧いただきたいのですが、全国各地から借り受けた手稿や保存品に加えて、「高知にとっての司馬さん」というのが随所に顔を出す展示になっています。
個人的には、最晩年に司馬さんが当時の子どもたちに遺した『二十一世紀に生きる君たちへ』の展示に感銘を受けました。その頃の子どもたちがこれから社会を担っていく年齢になっているだけに、考えさせられるものがあります。
特別企画は今月の25日(木)まで。文学館は高知市内では非常に交通至便なところにありますので、よろしければぜひ。ただし駐車場はありませんのでご注意を。
ちなみに今後の展示。私に向いた企画が結構あって楽しみです。