かつての村の名を冠した大杉駅。時間帯によっては特急も停車する駅で、今も大豊町の鉄道の表玄関となっています。
雪の中、途中車輪の空転にも苦しみながら走ってきた阿波池田行。
列車は一息入れてから、大杉駅を発車。力を取り戻して山道を再び走りはじめました。
2つの三角の建物が組み合わさった大杉駅の木造駅舎。屋根以外が地中にめり込んだような、不思議なデザインです。
「とまレール大杉」と銘打った駅名板。と言っても宿泊できる感じではなく、人々が足を止め、集まる場所としての大杉駅です。
駅前の観光案内板には「ゆとりすとカントリー」の文字。ゆとりすとパークおおとよの名も、この大豊町自体のキャッチフレーズに由来するのです。
駅を出たばかりのバス。ここから西へ、本山町から土佐町に向けて走り出しました。
駅前広場の南側には、土讃線の開通を記念した石碑が今も残っています。
バスが去った駅前。聴こえるのは対岸を行き交う車の音ぐらいです。
橋から南側を眺めてみました。
ここから高知方面へはいったん山を越えます。橋の下を流れる穴内川は、南からこちら側に流れ、さらに吉野川へと注ぎ込みます。
橋の北側。川のすぐそばまで、いかついコンクリートの柱が何本も立つ上に、民家や商店が建っています。
大杉駅は上下の線路にホームが1本だけのもの。その手前は保線用の機械が荷物でも積み込むのか、ホームと同じ高さになっています。
寒さに耐えきれず、駅の中に入ることにしました。
2つある三角屋根の南側は売店になっています。そしてこんなところまで、うどん県の触手が伸びています。
小さなスペースに、地元の土産物から普段の軽食・菓子類、新聞まで揃った売店。手前の冷凍庫の売り上げは、この時期どのぐらいのものやら。
反対側は待合室。地元の人々によるさまざまな写真やイラスト等が並んでいます。
大豊町の全集落を示した木製のパズル。川沿いが細かく、それ以外は大きく分かれているようです。そして緑色の川又「集落」は、もう人が住んでいないと書かれています。
木製のキャラクター。おそらくは木のキャラクター。ただ、推測できるのはそのぐらいです。
屋根に飾られた、杉の大杉、ゆとりすとパークおおとよをはじめ、町内の名所を集めた写真パネル。
こちらは、大杉駅の現駅舎ができたのを記念した、大杉中学校の生徒たちによるパネル。
その大杉中学校も今はありません。前に書いた気もしますが、町内の中学校も、小学校も、辛うじて1つずつが残るのみです。
高知の山間に雪が激しく降るようになりました。高知までの普通列車が、それでも何とか定時で大杉駅に到着したところです。
ホームから見た大杉駅舎。やはり屋根だけが外に出たような感じです。
駅に立つ名所案内。駅舎のイラストも描かれています。
反対側は他の町のものも含め、嶺北の名所案内になっています。
駅の南側には、大豊町の名所名物をアピールする太い柱が立っています。
ホームの隣で待機する保線機械。向こうに置いてあるレールを運搬するようです。
寒さの中発車を待つ高知行。その間も雪は降り続きます。
左へのカーブ、崖の向こうに消えていく線路。目指す高知までは、ここからあとひと山越えないといけません。