高知から乗り継ぎに乗り継いで、5日目でたどり着いた増毛駅。ここまで来る6本の列車のうち、昼間の1本だけは増毛駅で時間を取ってから引き返します。その合間に、駅の周辺を歩いてみます。
ホームの向こうに建つ灯台。木々に埋もれている感はありますが、栄枯盛衰を経た増毛の海をずっと照らし続けています。
増毛駅の木造駅舎。今は中に地場産品を扱うお店が入っています。
広い増毛駅の敷地。かつて増毛駅は貨物や荷物を扱うターミナルでしたが、今は最低限のホームと線路、それに駅舎を除き、すべて姿を消してしまいました。
時折車が通る増毛駅前の通り。一般的な民家やビルに交じって、ニシン漁で栄えた名残を留める古い家屋が今でも建っています。
駅の隣にある店も、時代を感じさせるものです。
店の中は、食堂というより観光客も見込んだ売店。増毛駅の記念、あるいは駅名が駅名だけに、とある切なる願いを抱いた人々には縁起物となる入場券など、駅のグッズが売られています。
そして「映画のまち」とあるのは、ここがかつて高倉健主演の映画でロケ地となったためです。
掲げられてあった路線図。この区間が地図から消えても、この看板は残るのでしょうか。
風待食堂の奥にあるのは、かつての旅館の建物。完成した頃は、それは瀟洒な建物だったことでしょうし、ニシン漁の黄金時代にはさぞや賑わったのではと、かつての栄光を偲ばせるものがあります。
そんな旅館の前には、8月も末、内地でも季節外れになりかけのヒマワリが、大輪の花をつけていました。
そして、終焉の時迫る増毛駅の前に立つのは、知る人ぞ知る沿岸バスの停留所。12月を過ぎて、この名がどうなるのか、私には分かりません。