後期も残り3試合。優勝の行方は愛媛と香川に絞られ、徳島もチャンピオンシップ出場の可能性を残します。蚊帳の外になってしまったわれらが高知ファイティングドッグスは、優勝マジック1で乗り込んだ愛媛を迎えることになりました。おりしもこの日は駒田監督の誕生日、目の前で対戦相手の胴上げだけは見たくないところです。
試合前には岡部選手の8月度グラゼニ賞授賞式が行われました。賞金18,000円はNPBと比べるといかにも少ないですが、選手の給料何日分にあたるか、という話です。
本日のスタメンです。愛媛は4番ポロに先発は投手10傑に入る四戸、率直なところ不安です。
そんな中でファイティングドッグスの先発を任されたのが方田。先発で見た記憶がないだけに不安でしたが、走者を出しながらも失点は許しません。
一方の愛媛先発四戸。こちらも毎回走者を出しては無失点で切り抜けていきます。
5回表、方田は2四球に野選で2死満塁のピンチを招きます。ここでも踏ん張りたいところでしたが、5番林を押し出し。ノーヒットで先制点を与えてしまいます。
なおも続くピンチで方田は交代。2番手に澁谷が上がります。しかし、その澁谷も暴投。この回高知はノーヒットで2点を献上してしまいました。
5回裏、またも高知がチャンスを作りながらも不発に終わると、6回表にはなんと嘉数が登板します。本来の持ち場は8回、勝利の方程式の担い手ですが、駒田監督は大勝負に出ました。
一方の愛媛、四戸は5回でお役御免となり、6回にはNPB経験者の北方が登板します。
ここで高知は2死2塁の場面を作り、8番香川の代打で登場した大城が期待に応えるタイムリー。1点を還します。
すると7回、愛媛は3番手に柴田を送り込みます。
その柴田から先頭の河田が四球を選ぶと、内野ゴロ2つの間に2塁から3塁へ。そしてザックがきっちりセンター前にタイムリーを放ち、高知が追い付きました。
勝って優勝を決めたい愛媛はブルペンフル稼働。8回には阿部が登板、この試合で初めて高知打線を三者凡退に抑えます。
一方、6回から投げ続けた嘉数でしたが、9回にとうとう力尽きます。先頭の白方に2塁打を打たれると、3番高井にも2塁打を許し、勝ち越し点を奪われてしまいました。
直後も暴投が出るなど、最終回に入って苦しい投球でしたが、何とか追加点は許さず、9回裏に入ります。
優勝決定まであと1イニング。胴上げ投手となるべく、マウンドに陽建福が上がります。
ただ、監督の誕生日に胴上げは見せられたくないファイティングドッグスがここから必死の反撃に出ます。先頭の祐人が内野安打をもぎ取ると、河田もヒットで続き、山下は死球で無死満塁。続く深江の当たりは陽がつかんで本塁封殺になりますが、後に控えるのは4番ザックです。
そのザックは陽の2球目を捉えると、打球はライト方向へ一気に伸びていきます!
フェンスに達する打球で河田と山下が還って逆転サヨナラ!
これが4番の仕事。ザックの鮮やかな打球で、ファイティングドッグスが試合を一気にひっくり返しました!
最終スコア。お互いの意地のかかった好試合、最終回にドラマが待っていました。
ヒーローインタビューには、重い試合で先発を任された方田と、殊勲打のザックが登場しました。
そんな中、いきなり撮影を始める駒田監督(笑)
そこからインタビューにも加わります。
駒田監督にはバースデーケーキも用意されていました。
監督のあいさつ。どこかのロッテの監督のように、ケーキを顔にぶつけられることはありませんでした。
最後に記念撮影。
シーズンが残り少なくなる、つまりこのメンバーで野球ができる機会がもうわずかしかない中で、監督として現状この上ないプレゼントになったことでしょう。