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「地域」研究者にして大学教員がお届けする「地域」のいろんなモノゴトや研究(?)もろもろ。

【地域実習振り返りレポート(8-2)】地区の人々とともに考える東豊永・西峰地区の明日(大豊町・2015年12月26日)

 先月26日の大豊町での実習、午後からは東豊永地区の落合集落で、地区の将来について考えるワークショップに参加してきました。

 

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 会場は東豊永生涯学習センター。午前に通りがかった公民館施設です。この日は朝から晴れて良い天気……と思いきや、主催する側からは「晴れるのは具合が悪い!」と困った声。晴れた昼間は外で作業をするには好都合なので、こういう集まりにはむしろ人が来なくなるのだそうです。とはいえ、開始する頃には地区内のいろいろな集落の方においでて(いらして)いただきました。

 

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 この日のテーマは地区のさまざまな商店・施設とその機能です。今あるものの状況や、今足りないもの、さらには今後について、それぞれ7~10名程度の3グループに分かれて話し合っていきます。

 ただ、私を含め地区に入るようになって間もない人も多いわけで、話し合いをするには、まずはよく知らない人にも分かるよう、地区の商店・施設を明示化しておくことが必要になります。

 そういうわけで、事前に学生が家屋のペーパークラフトを大量に作成、当日は話し合いの事前作業として、それらを商店・施設に見立てて模造紙の上に配置していきます。

 

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 学生が用意した「家屋」に、地区内の商店・施設の名前が書き込まれていきます。

 

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 模造紙を分ける線を一本引いていきます。商店・施設は集落内のメインストリートとなる国道439号線かその近くに並ぶことがあるので、まずはその通りを描くことになります。

 また、この日は東豊永地区だけではなく、東隣の西峰地区(東西がややこしいですね)も話し合いの中身に入ってきます。個々の集落・地区の人口が減ってしまっている中では、将来像を描くにも集落・地区個別ではなく、より大きなまとまりでどうするかを考えて行動するよりほかない、という考え方です。そういうわけで、さらに模造を2つに分けて、東豊永と西峰双方の中心集落について、商店・施設をそれぞれ並べていきます。

 

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 模造紙と「家屋」の準備が出来たら、配置開始。学生たちが地域の方々と一緒になって、お話を伺いながら並べていきます。

 

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 地域の方々の手で、東豊永地区中心の落合集落に集まる商店や施設が置かれていきます。

 

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 だいぶ集落中心のイメージができてきました。一本線が国道439号線、JAの手前側が交差点になっていて、そこから落合橋(現在撤去中)までの道沿いに、髙橋医院と西村ストアがあります。

 

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 別のグループによるマッピング。こうして並べていくと、あの店はああだ、ここはどうだ、というそれぞれの商店や施設の特徴や置かれた状況について、地域の方々からお話がどんどん出てきます。

 

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 そうして出てきたポイントは、それぞれの商店や施設のところに書き込んでいきます。

 

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 さらには、地区内に今ある商店や施設だけではなくて、ないものも浮かび上がってきます。各グループが思いついたものは、3グループを合わせた全体の話し合いでリストアップし、共有していきます。

 

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 そうすると、今後こういう施設があればいいのでは、というものも思いついてきます。地区の人々の暮らしに役立つものや、集まり・賑わいを作れるもの、地区の外の人々を寄せつけるようなもの、アイディアは様々です。

 もっとも、多様なのはそういうアイディアだけではありません。地区の将来を考えた時に、新たに商店や施設を作っていきたいという方もいれば、今あるものの維持や継承を優先して考える方もいます。人口が減っている、高齢者が多くて後継者探しが難しい中で、現実にとれる選択肢は限られているのも確かです。

 ただ、もっと確かなのは残り時間があまりない、ということ。そんな中で、さまざまな人々の考えを対立するものとして捉えている余裕はありません。求められるのは、それらを止揚する(この言葉を使うのはいつ以来だろう)新たな発想、そしてそれらに基づく取り組みです。

 さぁ、学生たちはどんな発想を生み出して、地域の人々と行動していくでしょうか?これからが本当に大事です。