3連休(と言っても出張等が入りましたが……)の最終日、大豊町の大杉農村広場で開催された「大杉のどぶろく 秋の収穫祭2015」に行ってきました。
高知自動車道を大豊インターで降り、トンネルを抜けてさらに南下して少し走ったところ、大豊町中学校の隣が会場の大杉農村広場です。
大杉のどぶろくというのがこの「輝」。大豊町にはどぶろく特区があって、そこで地元のおんちゃん(おじさん)が1人で作り上げたのがこの逸品です。甘口と辛口があって、このうち甘口が「第9回全国どぶろく研究大会」どぶろくコンテスト濃芳醇の部で最優秀賞を受賞!辛口も同じコンテストの淡麗の部で入選したとのことです(大豊町観光協会)。
そして、今回何とそのどぶろくが無料で呑み放題!しかも抽選会があって、当たると甘口・辛口どちらかのどぶろく1合瓶がもらえます。大盤振る舞いもいいところです。
どぶろくを写真に撮ったつもりなのですが、白地のテーブルに白いカップと白いどぶろくではピントが合わせられませんでしたorz
今回甘口も辛口も試しましたが、どちらも清酒と違ってコメの粒が残っているので、呑むというよりは呑み込んだり、噛んで味わうという感じのものです(似たことを書いてる人がどこかにいた気が)。甘口は芳醇そのもの、辛口は醗酵中の酸味がアピールしてきます。
※ 念のため書いておきますが、今回は妻(お酒を飲まない)が帰りの運転手を務めています。飲酒運転は厳禁ですよ!
ただし、収穫祭は何もどぶろくだけのものではありません。今回は大豊町内外各地から、地元の野菜やジビエ料理等々が出品されています。
こちらではシカ肉の竜田揚げやしし汁(言わずもがなですが、「しし」といっても獅子ではなくてイノシシです)を販売しています。何の肉か伝わりやすいイラストではあります。
南国土佐とは言え大豊町は山の中、ましてこの日は雨交じりの曇天模様。しし汁のほかに別のところで自然薯の汁ものもあり、本当に温まります。
こちらは「鹿まる」といって、ポスターの通りご飯を鹿のミンチ肉で包んで揚げたものです。
これが現物。ご飯はもち米の食感でした。肉が肉なだけにソースは濃い目です。クセがあると言われるジビエ料理ですが、こうして食べた限りでは普通に肉でした。
そして今回のもう1つの目玉がイノシシ1頭丸焼き!程よく焼けたところから切っていって、タレと塩コショウそれぞれをかけて売られています。せっかくなので、両方仕入れてみたところですが、これがまた旨い!しし肉というと脂の部分が結構固いはずなんですが、うまく切り分けられてるだけあって、ジューシーな肉の部分のみが当たっています。
ちなみにイノシシの丸焼きは実演販売なんですが、マンガやアニメで見る豚の丸焼きとは違い、一部さばいてから焼くことになります。写真はありますが、見るのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います(私は食肉用の羊をさんざっぱら見てきたので平気だったのですが、それってどう考えても特殊例でしょう)。なので、ご関心のある方のみこちらからご覧ください。
こちらはしし肉の焼きうどん。これまた言われなければしし肉とは分かりません。食べつけると分かるようになるんでしょうか。
と、いろいろ呑み食いしてきたところですが、腹ごなしに付近を少々歩いてみることにしました。
農村広場から穴内川を挟んだ対岸、道の駅大杉の近くに、日本一と称される杉の巨木「杉の大杉」がおわします。
樹齢3000年ともいわれる天然記念物。2本の杉が根元で結びあっています。
共に天を衝く2本の杉。この辺りは杉の多いところで、林が総じて屹立する厳めしい感じがするのですが、その頂点がこの2本の杉かも知れません。
「杉の大杉」の「杉」はこの辺りの地名です。もっとも、地名の由来はおそらくこの大杉にあるはずで、杉の木が杉の大杉ならこの辺りは大杉の杉、大杉のある杉にある大杉のある杉にある大杉……妙な無限ループになってしまいます。
杉の傍らには、美空ひばりさんの歌碑が建てられています。
まだデビューして間もないころ、当地を訪れた時に、日本一の歌手になれるよう大杉に願掛けをしたという逸話は、今も語り継がれています。その後の彼女の活躍ぶりは言うまでもありますまい。
こちらは歌の出る歌碑。没後30年近く経ちますが、今もファンの関心は衰えていないことでしょう。
大杉のある高台から、収穫祭が終わった会場を眺めてみました。既にほとんどの人が帰路についたようです。
今回はおそらく予想以上の人出ではなかったかと思います。中央のテーブル席は常にほぼ満杯でしたし。はたして来年はどれだけの規模になることやら、今から楽しみです。