高知方面から川を渡り、街を通って峠を越え、須崎の市街地に入った列車が最初に通る駅が、多ノ郷駅です。
小さな平屋の駅舎。駅員のためのスペースはカーテンが閉ざされたまま。かつては斗賀野駅からここまで、石灰石を積んだ貨物列車が走っていましたが、今では高知の各地にありがちな無人駅です。
ただ、市街地に近いためか、現在のダイヤでは、朝は上り、夜は下りの特急が2本ずつ停車します。
駅前は古い住宅街。高台が迫っていますがその上にも家があります。
駅前通りに出てみました。もうすぐ開店時間、準備をする店の人に地元住民と思しき人が声を掛けています。多ノ郷の一日が始まっています。
駅に戻ります。窓口は時刻表が貼られ時計が置かれ、もはや窓口としての機能を果しえる状態ではありません。
誰もいない狭いホームが2つ伸びています。
高知方面。線路が左にカーブする奥には山が迫っています。
一方、駅舎の反対側を見ると、新しめのロータリーの奥に広い駐車場、高速道路、工場の煙突が見えます。
無人駅ながら一部とはいえ特急停車駅。決して新しいとは言えない住宅街の反対側には新たな道路や施設、山林も工場地帯もほど近くに望むことができる。
多ノ郷駅をどういう駅と捉えればいいのか、その答えを見つけるのは簡単ではないようです。