藤川球児が高知ファイティングドッグスに電撃移籍して1ヶ月余りが経ちました。この間オープン戦で登板機会はあったのですが、こちらの都合がつかなくて実際に見ることはかなわず、先週は試合自体が中止になってしまいました。
その代替試合が先週の土曜日、高知市野球場で開催されることになりました。当日は昼から一時強い雨が降ってきて、一時はまた中止になるかと思っていたところ、雨も上がって球団関係者もグランド整備を頑張った甲斐あって試合決行。何とか観戦機会ができたのでした。
本日のスタメン。高知は台湾コンビが中華職棒のドラフトで指名されて移籍したこともあって、打線が変わった感じがあります。
高知の先発の平良。彼の投球に関しては安心して見ていられます。
一方の香川は竹田が先発。序盤は両投手の投げ合い、3回まで安打数はわずか1つずつの無得点で進みます。
さらに0-0で迎えた4回裏、高知は先頭の西本がヒットで出塁すると、2アウト1塁から根津がライト線に3塁打を放ち先制します。さらに続く大城が歩いてチャンスを拡げますが、銀次郎が倒れて追加点はなりません。
高知は5回表、平良に代えてジェイソンをマウンドに送ります。オープン戦ということで、いろいろな投手を試したかったのでしょう。ジェイソンは1回三者凡退2三振という文句なしの出来でしたが、好投した平良を代えたことが後で効いてきます。
試合はそのまま1-0で5回裏を終了。グランド整備の間に北米遠征から帰ってきたドッキーが登場しました。遠征のもう1つの目的は四国を知ってもらうこと。犬で横綱というので、アメリカ・カナダのいろいろな人に関心を持ってもらえたんではないでしょうか。
そんな中、スタンドの雰囲気がざわついてきます。そう、彼の登場です!
6回表、かねて予告のあった通り、中継ぎで藤川球児が登板!
投球練習中。
球児が投げる姿を実際に見るのはいつ以来でしょうか。そして高知で見ることになるとは。積み重なった偶然の重みを実感します。
さぁ注目の登板です!6回表、先頭打者の加藤は初球を打ちますが力のないサードフライ。
続く原口はこれまた初球をセカンドゴロ。
さらに伊東は1-2から三振。この間都合8球、素晴らしい出来の投球です。
一方の6回裏、香川は二番手に川﨑を送り、こちらも三者凡退に斬って取ります。
7回表、藤川球児2イニング目です。
この回はクリーンナップを迎え、先頭の大木はレフトへのヒットを放ちます。
その後、4番松澤はショート付近にふらふらとした打球を打ち上げます。内外野の間でポテンヒットになりそうなところ、ショート大城が背面キャッチ!そして大木が1塁ベースを大きく離れているのを確認するや送球、ファースト金城にわたって併殺完成。本日一番の好守備でした。
その後、5番中川には7球目を選ばれフォアボール。
ですが、次の岡村(5回から出場)は2球目をサードゴロに仕留めてこの回4人で終了となりました。
こうなると一気に試合を決めたい高知ですが、3番手松本の前に手も足も出ず。
そして8回表、球児の後を託されたのは独立リーグのジャーニーマン全柱ク。ところが、この全が2アウトを取ってから乱れます。
9番加藤に安打を許し、先頭に帰って原口には2塁打、そして甲斐にライト前タイムリーを打たれて二者生還、一気に逆転を喰らいました。
直後の8回裏、高知打線は4番手原田の前に7球で三者凡退。反撃の機運が上がりません。
9回表、高知の5番手は秋山です。何とか最少得点差で切り抜けたいところでしたが、こちらも2アウトから先の落とし穴にはまりました。
2死走者なしから赤松にぶつけると、宗雪には2ストライクを取りながら、左中間に打球を運ばれそのままスタンドイン。ダメ押しの2点を献上してしまいました。
9回裏の香川は大田を起用して締めにかかります。
高知は代打祐人のライト前ヒットで食い下がりますが、続く代打の平野の放った打球はファーストベース前へのゴロ、これで併殺となって万事休す、香川が逆転劇で勝利です。
最終スコア。球児が好投しただけに勝つべき試合だったのですが……
何というか、この試合は高知の詰めの甘さが目立った気がします。その象徴が全と秋山で、三者凡退にできそうな手前、ピンチを脱出できる手前で決め手を欠いたがために痛い目に遭ったのです。決してポテンシャルがないようには見えないのですが、上のステージに行くために必要なパーツが1つ足りない。それが何なのか、どうすれば手に入るのか?藤川球児というまたとないお手本が目の前にいるのですから、是が非でも学び取ってほしいのですが。
試合終了後は高知の選手のお見送りがありましたが、球児はグランドでインタビューがあるので別行動。関係者出入り口前には搭乗を待つファンたちの姿がありました。フラッシュを焚いてなかったので、ブレブレの画像で済みません……
待つこと数分、球児が出てきました。近場にいたお姉さん曰く、希望するファンには必ずサインをしてくれるとのこと。ただ押し合いになると危ないのでサインは中止になってしまいます。ファンも心得たもの、「押したら終わりでー!」という声が飛んできます。
少年野球の子どもと会話する球児。何やら大会の話をしているのは、自分も参加経験があるからでしょうか。残念なことに、どういう大会なのかは分かりませんが。
色紙であれユニホームであれ、サインの求めに全て応える球児。この日は観客が500人を下回る数で、この場にいるファンも少なかったとは思うのですが、それでも丁寧に対応してくれるのは、地元民としては嬉しい限りです。
というわけで、久々に見た球児の投球。JFK全盛期とは違うと言えばその通りなのかも知れません。
ですが、私が見る限り、実に伸び伸びと投げていた、というのが感想です。投げる姿にケガの状態を気にする様子は感じられませんでした。明らかに調子は良くなっているでしょうし、本人も実感しているのでしょう。
さらに言えば、NPBの登録は今月末までですが、それを気にして結果を出そうと焦る様子もありませんでした。いずれはNPBに戻るのでしょうが、それまで時間をかけられるからこその好内容だった、ということもできると思います。大好きと言っていた高知の夏を、球児は充実して迎えることになりそうです。
ただ、「球児は快投、なおファ」ってのが続きそうなのはホント勘弁してください弘田さん……orz